今日は うつ病の原因について説明します

<原因>

多くの原因が 複合的に影響しあって起こります

うつ病が多くの原因の複合的影響により起こることを示した図

@性格

性格は

*生まれながらの遺伝的傾向

*幼少時の生育環境

*さまざまな人生経験

などにより 複合的に形成されます


@過労 ストレス

*慢性的な過労 ストレスを感じる状況 
 での発症が多いとされています

*ストレスへの対応は個人差があり
 性格により異なります


@遺伝的要因

*関連する具体的な遺伝子は
 まだ明らかにされていません

*うつ病の原因のひとつである
 ストレス感受性に関わる性格は
 遺伝的に規定されることが多いようです

うつ病の発症に関わる因子をまとめた図


@身体的要因

*慢性疲労

*脳血管障害

*感染症 がん

*甲状腺機能低下

*月経 出産 更年期のホルモンバランスの変化

*降圧薬 経口避妊薬の服用

などが関与します



@環境要因

*幼小児期の厳しい体験

*家族 親しい人の死亡

*仕事 財産の喪失

*人間関係のトラブル

*家庭内不和

*就職 退職 転勤

*結婚 離婚

*妊娠 育児

*引っ越し

などが関与します


@栄養

*セロトニンの合成に関わる葉酸

*葉酸の合成に関わるビタミンB12

*鉄

これらの欠乏は 
うつ病のリスク因子になるので
バランスの良い食生活を心掛けることが大切です


<なんらかのきっかけがある>

うつ病の発症にあたって
引き金に当たるようなことが全くなかった
ということは稀で

なんらかのきっかけがあることが多い

うつ病の発症のきっかけについてまとめた図

その前からちょっと具合が悪くなっていて
そこに引き金になるような出来事が起こって
普通の状態なら対応できることが対応できずに
その後さらに状態が悪化する

というパターンをたどることが多いようです



<ストレス>

日常的な 軽度で 長く 持続するストレス

がリスクが高く
この程度ならがまんできるくらいのものが危ない
とされています

ストレスについてまとめた図


@ライフイベントに関わるストレス

*仕事 昇進 降格 失業 定年

*健康 病気 事故

*喪失体験 近親者との死別 離別 病気

*結婚 離婚

*妊娠 出産

*相続

など


@慢性のストレス

*家庭内不和

*職場での人間関係の歪み

*経済的困窮 税金

*慢性疾患の罹病

など


@日常的なストレス

*通勤

*家事 育児 家計のやりくり

*近所つきあい 職場でのつきあい

など

ストレッサーは無数にあり
どういう状況に適応できないかについても 
個人差があります

マイナス思考が
ストレスを生むことが多いとされています


<うつになりやすいタイプ>

@まじめで責任感が強く こだわりが強い

*自分の許容量を超えて 
 優先順位をつけず なんでも徹底的に頑張るので
 ストレスをため込んで 
 こころのバランスを崩してしまいやすい

*すべてに完璧を求めるのではなく
 物事に優先順位をつけてやっていくようにするなど
 考え方を変えていくことも 
 うつ病になりにくくするためには重要です

*頭がかたい面もあるようです

まじめで責任感が強いひとの考え方 行動様式を示す図



@メランコリー親和型気質

*秩序 常識を重んじ 几帳面で 
 生真面目な良い人で
 粘り強くコツコツと頑張ると 社会からの評価は良い

*自分のルール ペースにこだわる

*常に他人に配慮を忘れず 円満な関係を保とうとし 
 他者に合わせようとする

*そのため 他人の評価が大変気になり
 いったん何か問題が起きると悲観的になって
 すべて自分の責任だと考えるタイプ

*自分のペースを押し通そうとする気持ちと
 他者に合わせることの矛盾が
 大きなストレスになります

うつ病になりやすい気質を示す図


@循環気質

*元気な躁状態と抑うつ状態を繰り返す
 双極性うつ病になりやすいタイプ

*社交的 善良 親切で親しみやすい反面
 激しやすいという
 相反する面をもっています


@執着気質

*義務感が強く 仕事熱心 完璧主義 
 几帳面 正直 凝り性などの特徴がある

*仕事の質は高いが 量がこなせない

*二者択一的で
 白か黒か ゼロか100か
 という結果を決めつけたがる

*優先順位をつけられない

といった特徴を有するタイプです


ご自分の性格 普段の行動を顧みられて
これらの気質にあてはまる場合は
うつ状態にならないように注意が必要です

うつ病になりやすい気質について説明した表
高橋医院