うつ病の解説の最後に
日常生活での注意を解説します

@病気であることを自覚する

うつ病の患者さんは 
自分がうつ病だと認めたくないもので

「ちょっと調子が悪いだけだ」と無理をして 
頑張りすぎてしまうことが少なくないようです

うつ病は適切な治療が必要な病気で 
治療で改善すること
を自覚して 治療を受けてください

病気であることを自覚することの重要性を示す図


@隠さないで周囲の人に知ってもらう

うつ病に対して
世間の理解はいまだ十分とはいえませんが

うつ病を隠すことで
周囲の人に「やる気がない」「なまけている」と
非難されてしまうこともあります

また 周囲の目を気にすることで
ストレスが余計たまることも考えられます

家族はもちろん 職場の同僚や友人などには
できるだけ病気であることを話し
治療に向けてサポートを受けるほうが
スムーズに治療が進みます


@自分だけで抱え込まない

すべてを自分ひとりで抱え込もうとすると
それだけで大きな負担がかかります

周囲の人を信頼して
任せられることは任せるということも必要です


@思考パターンを変える

マイナス思考のパターンを変えることで
病状を軽くすることができるといわれています

マイナス思考のパターンを変えることの重要性を示す図

ポイントは
*認知
*コントロール感覚
*コミュニケーション
の3つの柱で 気持ちの整理を行うこと

自分が今 何に悩んでいるのか
その解決法は何か 解決法の評価
その中で残ったものを実行する
実行した結果はどうだったのか
を紙に書き込み 

悲観的な思考パターンから脱け出して
さまざまな観点を意識した柔軟な考え方を
身につけるようにしましょう


@ゆとりのある生活を

何でも100%で完璧にしないと気がすまない性格
が うつ病の誘因になることがあります

生活では少し手を抜いて
八分目くらいをこころがけましょう

たくさんのことを一度にしようとしないことも必要です

また こうした完璧主義の人は
治療にも完璧を求めますので
なかなか治療の効果が思うように上がらないと
焦ったり不安を感じて 症状が悪化することもあります

「だいたいこれぐらいでよいのではないか」と
考えに幅をもたせることが大切です

完璧主義の弊害を示す図


@食事は好きな物を食べる

食欲減退はうつ病の代表的な症状ですが
治療で食欲が戻ってきたら
好きな物を適度に食べましょう

このとき 野菜や大豆製品などの
高タンパク低カロリーなものを
バランスよく食べることが大切です


@アルコールの量に注意する

アルコールは 眠りを浅くし
うつ病を悪化させることもあります

抗うつ薬の作用にも
影響を与えることがありますので
アルコールと一緒に服用することはさけましょう


@楽しみの時間をつくる

うつ病の患者さんには
楽しんだり休む時間をつくることに
罪悪感を覚える人もいます

しかし 
楽しい時間を過ごすことも
うつ病の重要な治療のひとつです

積極的に自分から
楽しみをみつけるようにしましょう
高橋医院