NHKの特番 
マネー・ワールド・資本主義シリーズ
書き手がお気に入りの番組で
これまでも何回か紹介してきました



医者は学生時代に
ほとんど経済の勉強をしていませんから
知らない世界は面白いし興味深い(苦笑)

ましてや
現在の資本主義や民主主義が抱える問題の本質が
人間の闇の部分の「強欲」という哀しい性に
関連しているなんて言われると
ひねくれ者の書き手は
ますます惹かれてしまうのですよ(苦笑)

で NHKさん 2018年秋に
「マネー・ワールド 資本主義の未来  2018
 資本主義誕生から250年」
というタイトルで続編を放送してくれました

1年以上前の話ですが
書き溜めていたブログ用原稿の中に
この番組のレポートを発見しましたので
間の抜けたタイミングでのご紹介をお許しください


さて 混迷を極める現代の資本主義が
今後どのように変わっていくか?

続編ではそのあたりを
フォーカスして欲しいと思っていましたが
どうなのでしょう?

今回は3回シリーズで

@お金が消える

@仕事がなくなる

@借金に潰される

というテーマで企画されていました



書き手がいちばん印象深かったのは
第3話で紹介された
「借金棒引きネタ」でしたので
今日はその紹介をします



世界は今 
空前の額の借金を抱えているそうです

その総額は164兆ドル
(日本円では1京8500兆円)

世界のGDPは76兆ドルなので
なんとその倍以上です

1990年頃から
借金の額がGDPを上回り始め
その差は現在ますます増えているそうです



しかし番組では 興味深いことに
「そもそも借金は
 資本主義においては意義があるものだった」
と解説します

借金は
経済成長するためのエネルギーとして不可欠で
借りたお金で投資をして 
それを上回る利益を得て成長してきた



なるほど 
確かにおっしゃる通りですね
先立つものがないと
事業を進めることはできません


しかし今の世界では
借金が経済成長の足かせになっていると言います

先進国では物が売れなくなったので 
なかなか経済利益を出せない

銀行は金を貸しても利益を回収できなくなったし
第一 利子をいくら下げても
魅力的な貸し先が見つからない

それなのに
世界は国も個人も借金にまみれている

このまま借金を無限に増やせば 
資本主義システムは破綻してしまう
あふれる借金に
資本主義が足元をすくわれそうになっている



以前 ご紹介した 
資本主義の発展の限界を説かれていた水野さんが
ゲストとして登場されて

経済成長しない世の中になってきたのに
借金が増えるのは
まさに末期的状況である

借金は 
それを上回る利潤が得られることが前提で行われるが
今はその前提が崩れているのだから 
借金に意義がない

と指摘されます



でも そもそも どうしてこんなに
借金が増えたのでしょう?

それは このところ続いている
各国の中央銀行による
過剰な通貨供給・ばらまき政策のせいだそうです



通貨を供給すれば 
企業や個人が使ってくれて 
経済成長につながるという目論見で
供給量を上回る消費 経済成長を期待する政策です

1971年にニクソン・ショックが起きて
通貨を支える仕組みが 
金本位制から紙幣本位制へシフトしたので

通貨の源が実体のないバーチャルなものになり
そのために通貨供給量のリミットが外れて 
紙幣の供給が上限なく増えました

そうして世間で余った金がバブルを形成し 



やがて崩壊したのです



そうした状況だったにもかかわらず
バブル崩壊後には 
かえって大量の通貨供給が行われました



リーマンショック以降は 
特にその傾向が顕著でしたが
空前の量の金の供給が行われたのに 
経済はそれほど回復しなかった

ゲスト解説者の皆さんは
足りないもの 物欲がなくなったので
物が売れない低成長時代には
この対処法は功を奏しない

これからは 
物欲でなく精神的幸福を満たすサービスや商品が必要?
と指摘されます

じゃあ どうすればいいの?

番組では 
現代社会が抱える
国の借金 個人の借金の分析を続けます

世界各国の政府の借金は増え続けていて 
その総額は過去最高の6000兆円
アメリカ2136兆 日本1137兆 中国707兆

プエルトリコでは
年間予算の8倍額を世界の金融機関から借りたけれどダメで
超インフラになり 
公共サービスもダウンしてしまいました



一方 個人が抱える借金も急激に膨張していて 
その総額は5500兆円

アメリカは1668兆 中国は729兆 イギリスは273兆だそうです

特に若者の借金が増えているのが目立ち
これまでは 
個人ローンによる商品の購入で経済が拡大してきたけれど
若者の借金が増えたので消費が低迷し 景気が悪化している

個人の借金が3~4年の短期間で大幅に増えると
やがて金融危機が起こり大不況になるという
歴史の教訓もあるそうです

そうなのですね、、、

で ここで衝撃的な話題が登場しますが 
続きは次回に!
高橋医院