現在 開発されている代替肉
植物肉 培養肉の2種類があります

<植物肉>

大豆など植物由来の原料をベースにしたもので
植物性原料で作られた「肉もどき」です

植物肉

豆のタンパク質の成分など 
すべて植物から作られたもので
脂身はココナツオイルなどで再現しています

大豆などから抽出したタンパク質に 
でんぷんや油などを混ぜることで
牛挽肉に似たものを作り上げています

肉を構成する
アミノ酸・脂質・微量ミネラル・水分は
みな植物から抽出できるというわけです

但し 本物の肉のような
見た目と歯ごたえを確保するため
加熱や加圧といった何段階かの加工が必要です

ビヨンド・ミート インポッシブル・フーズ ガーデイン
といった企業が中心になって開発されています

ビヨンド・ミート社の代表作のビヨンドバーガービヨンドバーガー

エンドウ豆 緑豆 コメの組み合わせで
完全なタンパク質 肉の味と食感を再現し
霜降りに見立てた脂肪分はココナッツオイルとココアバターで
肉汁の赤い色はビーツで
それぞれ再現されています

ソーセージ パテもあり
世界30か国以上で販売され人気商品になっています

ビヨンド・ミート社のソーセージ パテ

インポッシブル社は スタンフォード大学教授が起業した会社で

主に大豆由来の素材を使用しており
肉を分子レベルで解析し
牛ひき肉のような匂い 味 触感などを再現しています

インポッシブル社のバーガー

大豆ヘモグロビンから取得したレグヘモグロビンを活用して
肉に近い味わいを出しているのが特徴です

レグヘモグロビンは
植物肉の味や香りを少しでも本物の肉に近づけるために
インポッシブル・フーズ社が開発したものです

インポッシブル社は
肉の持つ風味などを忠実に再現するには
ヘムが必要不可欠ということを突き止めました

ヘムは血色素から得る赤い色素で 
血中に酸素を運ぶ働きをしています

ヘムを大豆の根の部分から抽出し
大豆に存在する遺伝子と酵素を混ぜ合わせ培養した結果
大豆レグヘモグロビンを誕生させ
血のような液体を作り上げることに成功しました

大豆レグヘモグロビンの製造過程を説明する図

植物肉に
この大豆レグヘモグロビンをプラスすることで
パサパサ感がなくなり
牛肉特有の色や香りをもたらし
肉そのものの味に近づけることができたのです

大豆レグヘモグロビンを用いて植物肉を製造している様子

さて 
これらの植物肉の多くがひき肉タイプで 湯戻しして使います

ひき肉タイプの植物肉

ハンバーグなどのひき肉レベルでは遜色ありませんが
ステーキの味や食感を再現するのは まだ無理なようです


<培養肉>

クリーン・ミートとも呼ばれる 研究室ベースで開発された代替肉です

培養肉の製造過程を示す図

牛 豚 鶏などの家畜から 細胞を取り出して培養し
バイオテクノロジーを駆使して
肉の味や食感を人工的に再現したものです

取りだした細胞から
7~10日間で チキンナゲット1個分の肉に塊に成長します

成長した肉の塊

植物肉よりも 本物の肉に近いと言われています

メンフィス・ミート社など 
全米で10社以上が開発に携わっていて
世界200以上の企業がこの研究を行っており
同じ技術を用いて
牛だけではなく鶏や魚の培養肉の研究も進んでいます

鶏や魚の培養肉

2021年には 培養肉の商品が市場に出回る予定です

<その他>

菌類 きのこ かび 酵母を含む生物群から
代替肉を開発する試みも行われています

プライム・ルーツ エマジー・フード エコバティブ・デザイン
といった新興企業が参入していますが

菌類 きのこ かび 酵母を含む生物群から作られた代替肉

菌類由来の肉は 加熱や加工が不必要で
菌類由来のタンパク質は
低脂肪かつアミノ酸組成も良好で 繊維も豊富と言われています


世界では 代替魚の開発も行われています

<人工魚肉>

近年 魚の乱獲が大きな要因となり
海の魚の資源は9割も失われてしまい
世界的に大きな社会問題になっています

漁業は牛の畜産に次いで
2番目に憂慮しなければならない問題とも言われています

こうした状況を背景に 人工魚肉の開発が進んでいます

人工魚肉

代替肉と同様の方法を用いて作る
植物を原料に加工した魚肉や
細胞から作る研究室育ちの魚肉です

人工魚肉の製造法を示す図

魚の風味を作り出すために
植物肉を作る際に用いたヘムを利用しています

2019年6月には植物から
アンチョビ風味の煮汁を作ることに成功したとのこと

まだ生産コストが高く
植物肉をリードしているビヨンド社も
植物魚の世界への進出には慎重な様子ですが

昨今のサンマ不漁などを目にすると
代替サンマの登場にも期待してしまいます

でも サンマのあの美しい姿は 再現できないかな?(苦笑)

サンマ
高橋医院