敵は心の中の悪魔
ハラリさんは続けます 我々にとって最大の敵は ウイルスではなく 心の中にある悪魔だ 憎しみ 強欲さ 無知 悪魔に心を乗っ取られると 人々は互いを憎み合い 感染をめぐって外国人や少数者を 非難し始める これを機に 金もうけを狙うビジネスがはびこり 無知によってばかげた陰謀論を 信じるようになる これらが最大の危険だ 我々はそれを防ぐことができる この危機のさなかに 憎しみより連帯を示す 強欲に金もうけをするのではなく 寛大に人を助ける 陰謀論を信じ込むのではなく 科学や責任あるメデイアへの信頼を高める 憎悪 幻想 妄想を克服し 真実を信頼して強く団結する それが実現できれば 危機を乗り越えられるだけでなく その後の世界を よりよいものにすることができる 我々はいま その分岐点の手前に立っている ハラリさん自身は トランプがWHOへの財政的援助を打ち切ったあとに 個人で100万ドル 1億円を寄付したそうです (印税 儲かっているのですね!:不謹慎な笑) パンデミックのなかで同胞を救おうとしたら 国際的協力を選ぶしか道はない 私は大富豪ではないが 世界で何億もの人が職を失っているとき 暮らしに困らない者は 物惜しみをすべきではない なぜ母国イスラエルでなく WHOに寄付したのかと非難されると イスラエルの基幹病院は 新型コロナウイルスの遺伝子情報を 中国とドイツからもらい 治療法を アメリカとイタリアから教えてもらったから 世界と協力し合わないとなにもできないから と答えたそうです どうやって 今の恐怖心を克服しているか? とインタビューの最後に問われ 毎朝2時間の瞑想 と個人的な答えをされたあと 科学を信頼し 自分の心をいたわる時間を 毎日少しずつ持つ 突き詰めれば 科学を信頼すれば この危機は容易に乗り越えられる あらゆる種類の陰謀論に屈してしまえば 恐怖心が膨らみ 非理性的な行動をとるようになってしまう オープンな心で 状況を科学的 理性的に見つめれば きっと出口は見つかるはず
と まとめられました 日経 NHK 朝日と 日本の名だたるメデイアがこぞって インタビューをオファーしただけあって ちょっと高邁で 理想論的すぎる傾向はありましたが 全く気付かなかった視点からの意見も多く とても勉強になり そして何より 元気づけられる内容でした 高名な世界的ウイルス研究者が 本当に怖いのはウイルスでなく人間だと どこかで語っていたのを思いだしましたが まさにハラリさんが指摘されたように 敵は ウイルスでなく 人の心の中にある悪魔なのですね 悪魔は 平時は心の中に潜んでいても 危機や混乱に乗じて姿を顕わにします そして窮屈な自粛の日々が 悪魔をより一層元気にしてしまいます そうしたことを 自戒しなければいけないのかもしれません
高橋医院