対談も終盤にさしかかり
新型コロナウイルス感染の現状を
どう見るかという話題になりました

<感染の現状をどう見るか?>

西浦先生は

感染対策は新しい挑戦の段階にきている

新しい挑戦について語る西浦先生

現在 感染者が増えているのは
積極的なPCR検査が増えている結果だと思うが

院内 家庭内での感染例が出てきているし
市内感染が増えてきつつある状況もあるので
充分に警戒すべきだ

充分に警戒すべきだと語る西浦先生

どう早目に手を打つか?

それができずに待っていると
感染が爆発してしまうリスクがある

今はその分水嶺にさしかかっている状況だと思うが
現状の対策でいいのか不安が残る

これまでのような
お店を一斉にバッサリ休業してもらう要請は
なかなか出しにくい状況である

感染対策を 
国と地域が一体で実施する必要があり
一斉にバッサリでなく
業界やお店単位できめ細かく対応していく必要がある

ホストクラブ以外の業種でも伝播が見られ
制御が困難な状態になっていることが危惧される

制御が困難になっていることを危惧する西浦先生

感染者が
アンダーグラウンドに逃げ込むことがないよう
秘密にせず検査に協力してもらう取り組みが重要だと思う

と 現状を分析されました


山中先生は

日本では 感染者に対する差別が根強い
誰でも感染する可能性があるのだから
感染した人を責めるのは絶対に避けるべきだ

感染者に対する差別について危惧する山中先生

そうでないと 
検査から逃げてしまう人が増えてきてしまう

と 社会に警鐘を鳴らされました


<今後の展望はどうか?>

最後に西浦先生が
感染の今後の展望について述べられます

@決して明るい希望は持てない

今後に対しては 
あまり明るい希望を抱いていない

明るい希望は持てないと語る西浦先生

流行を繰り返しながら弱毒化するか否かを
観察していくことしかできない

観察していくことしかできないと語る西浦先生

どれくらい続くかということに関しても
複数年であることは間違いないが

感染収束の時期は 
他国の動向に大きく左右される

それがパンデミックの性である

全く予測不能な カオスのような状況だと思う

予測不能と語る西浦先生

また 他国の感染制御の状況が
日本の第2波に大きく影響するだろう

今後 集団免疫路線をとる国が増えてくるかもしれない

南米 南アジアの状況を見ると
世界が壊れないと良いけれどという心配を
しないといけないレベルだと危惧する

また アメリカの政治経済の状況をとても危惧している

アメリカの政治経済の状況をとても危惧していると語る西浦先生

感染制御と経済活動の二項対立は
全世界で見られているけれど
明るい材料はあまりない状況だと思う


@ワクチンは期待できるか?

状況を変え得るのはワクチンだけれど
安全性の担保が非常に大きな問題になる

多くの人が重症化しない病気なので
ワクチンによって副作用が出たら大きな問題だが
ADEが起こる可能性もある

ワクチンの安全性を危惧する山中先生

また
これだけ多数の人にワクチンを接種することは
これまでに経験したことがないことで
仮にワクチンが出来ても
それをどう分配するかが大きな問題になるだろう


@これから長い戦いが続く

今の日本は 第1波が過ぎて
再増加も関東に偏っているので
安心している人が多いが

かなりの大規模な第2波 第3波に対峙する必要がある

必ずしも明るい条件があるわけではないと語る西浦先生

現段階で 
必ずしも明るい条件があるわけではない

という現実は
医療従事者は共有しておく必要がある

医療従事者に警告を発する西浦先生

これから 長い戦いが続く

野球の試合に例えれば
まだ2回表 コロナウイルスの攻撃中の段階で
これから先 もっと長いイニングがあることを
覚悟していかないといけない

長期戦を覚悟して 
粘り強く賢く対応していくことが必要になる

とまとめられました


書き手も 外来で患者さんたちに
いつ頃解決しますか?と聞かれると
年単位での対処が必要になりますと答えています

でも 医療の面では
唾液を用いたPCR検査の普及
軽症例を入院させずに隔離する対策
重症例の早期発見と治療など
色々な面で知見が蓄積され 
対策が実施され始めていますし

経済活動の面では
何をどの程度に制限すれば
感染拡大が防げるかという知見が 
得られていくことでしょう

西浦先生が言われるように
必ずしも明るい希望は見られないし
長い戦いになるだろうけれど
細かい進歩は着実に積み重ねられつつあると思うので
今が頑張り時だと思っています
高橋医院