前回の番組導入部を見て
新型コロナのパンデミックにより
未曽有の経済危機が訪れそうなことわかりました

では それにどうやって対処したらいいのでしょう?

ここでは 国家がどう対応すべきか が論じられます


<グローバル経済から一転 国家が前戦に立つとき>

グローバル経済から一転 国家が前戦に立つとき と書かれた画面

@国家による新たな処方箋の必要性

今回 初登場の
アメリカの歴史学者のニーアル・ファーガソンさんは
サンフランシスコから避難した
モンタナの山荘からの出演します

ニーアル・ファーガソンさん

コロナ危機は
この四半世紀で初めて起こるほどの大規模の危機で
リーマンの比ではなく
世界恐慌に匹敵するほどのもの

リーマンは金融危機だったが
今回は財政的症状をともなう公衆衛生の危機で
全くタイプが異なる

財政的症状をともなう公衆衛生の危機であることを示す画面

リーマンのときのような
大規模な金融 財政刺激策では太刀打ちできないし

シャットダウンを余儀なくされた経済を
単なる刺激策で立ち直らせることはできない

単なる刺激策で立ち直らせることはできないと語るファーガソンさん

と 新たな処方箋の必要性を強調します

@損失を補填し 借金の返済期限を先延ばししろ

メーリングさんは

まず 世界は現金を必要としているから
急いで大量のドル貨幣のキャッシュを作る必要がある

そして 政府が行うべき財政的措置は
短期的な損失の補填
借金の返済期限を可能な限り先に延ばすことだ
と指摘します

語るメーリングさん

減税 財政支出 金利を動かす
といった通常の対策では景気を循環させられない


@優先して助ける人は誰か?

スティグリッツさんは

今後 アメリカの赤字の対GDP比は
5%から15%にアップすると予測されており
高いレベルの赤字債務を抱えながら
何を優先して行うか
どうやって資金を提供するか
慎重に選択して行わないといけない

最初に 最も弱い人々を助けて
その後に 企業が倒産しないようにする

語るスティグリッツさん

誰から助けていくべきかを考えるのが大切で
私利私欲にまみれた大企業などを
優先的に助けるのは愚かなことだ
と述べます

最近 スティグリッツさんは
アメリカの新自由主義経済に厳しいですね!

いずれにせよ
経済の破綻は
民主主義の政策的決断を嫌が応にも求めることになり
政府の判断が鍵を握ることになる
ということですね


@発展途上国は悲惨なことになる

シャルマさんは

パンデミック前には
金融政策と財政政策は 完全に異なる2本の柱だったが

ポストパンデミックでは
その隔たりは消えて融合され その状態が永続する
と言います

語るシャルマさん

経済学に疎い書き手は
このあたりの説明を もう少し詳しく聞きたかった

金融政策と財政政策は どう融合するのかな?

このあたりは 番組の最後の方で
ヘルマンさんが意見を述べられていますからお楽しみに!


シャルマさんは続けます

問題なのは
貧しい国の悲惨さが注目されていないことで

発展途上国では
株価が下がり 資金流出も起こっていて
しかもこれらの国では
福祉システムが整備されていない

発展途上国では
ウイルス感染による打撃のみならず
非常に大きな経済的打撃も受けることになる

発展途上国を危惧するシャルマさん

このままでは格差がさらに広まる
これが今回の世界危機の最も不幸な点だ
と 大きな危惧を表明します


番組のナレーターは
これこそが グローバル経済の負の側面なのか
とつぶやきます


@日本の問題点

ここで 元日銀理事の早川英男さん
明治大学の飯田泰之さん
慶応大学の小幡績さんらが
日本の問題点を語ります

早川さん 小幡さん 飯田さん

日本における今回の危機の本質は
中低所得の非正規雇用の人が
集中的に被害を受けていることで
分断が助長され 社会の不安定性が増幅されている

これまで 見かけ上の経済成長のために
人は作りやすいもの
必要でないものばかり作ってきて
本当に必要なものは何かを考えていなかった
そのつけが表面化している

利潤の追求ばかり求めるグローバル戦略の失敗が
今回の危機で明らかにされた

そして
リベラルデモクラシーの存在意義が問われている

経済の規模は
自給自足プラスアルファで充分ではないか?
もう一度格差と向き合い
超複雑な社会から原点回帰すべきではないか?


ここでの議論は 明快 的確で良かった!
指摘されたことが すんなりと腑に落ちていきました

シャルマさんの意見も重要だと思いました

これからの議論でも この問題は繰り返し出てきますが

発展途上国をどう救うか?

グローバル化してきた世界に突き付けられた
大問題だと思います

意見を述べるシャルマさん
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