新型コロナ・免疫の謎に迫る・日本ではなぜ死者が少ないか?
番組も後半になり 日本で死者数が少ないという 今や世界の共通認識となった問題が議論されます <日本や東アジアで死亡率が低い謎> どうして欧米に比べて日本や東アジアでは 新型コロナウイルスによる死亡者が少ないのか? 山中先生が ファクターXと呼ばれたポイントです マスクをする ハグや握手をしない 靴を脱ぐ といった生活習慣の違いや BCGやHLAの差異が指摘されていて 岩崎先生は仮説として *マスクなどの日本文化 *交差免疫 *遺伝的にウイルスレセプターの感受性が低い可能性 *ウイルスに抵抗性のあるHLAの存在 *BCGの影響 の5つのポイントを指摘されました ここで 交差免疫の話題が提供され 先日紹介したラホイヤからの論文や 児玉先生の仮説が紹介されました <自然免疫の訓練免疫> 宮坂先生と岩崎先生というキャスティングですから お約束のように 自然免疫の訓練免疫に話が進んでいきます BCGによる自然免疫の訓練免疫誘導が紹介され BCGだけでなく 多くのワクチンに含まれるアジュバント・免疫増強剤が 自然免疫を活性化して それを訓練する可能性があると指摘されます この仮説は 子供の新型コロナウイルスの感染率 重症化率が低いのは ワクチンを頻繁に接種しているからだ という推測を導きだします <免疫力を高める方法> 新型コロナウイルスに対抗する免疫力を高めるには どうすればいいのか? 宮坂先生は 何かひとつだけすれば良いということはなく *充分に睡眠をとり 休息する *適切な日内リズムを維持するために 規則正しい生活をする *適度な運動をして 全身の血流をよくする *バランスのとれた食事を摂る *免疫低下の最大の要因であるストレスを防ぐ といったことの重要性を指摘されました 岩崎先生は 低い温度や湿気が自然免疫力を低下させることから 室内の低温度 低湿度を避けることを 追加されました 書き手は 患者さんに 笑いが免疫力を高めることが報告されているから 吉本を見てくださいと よく言いますが スタッフから 関西人は吉本で笑えるけれど 関東人はダメかも? と指摘されます(笑) <新型コロナウイルスとの戦いを どう終わらせるか?> 番組の最後に司会者さんが どうやったら新型コロナウイルスとの戦いを 終わらせることができるか? と問われます 岩崎先生は 今回の新型コロナの次のパンデミックに備える必要もあるので 基礎研究を充実させ 温暖化 森林破壊対策も考えなければならない と指摘されました 宮坂先生は ウイルスはなかなか消えないので 当分 共存せざるを得ない と前置きされ ワクチンができたとしても インフルエンザワクチン程度のもので 予防効果はあまり強くないが 重症化は防げるかもしれない と ワクチンに過度の期待を持つことを戒めます ひとりひとりの人が ウイルスに対する正しい知識を持つことが大切で どこまでが怖いか どこまでが怖くないかを体験的に知り それを自分でどう守るか 自分の行動に対してアラートを出せるようにする と強調されました 最終的には 普通のかぜに落としこむこと 書き手も 宮坂先生のご意見に全面的に賛成です! それにしても NHKは頑張って 新型コロナウイルスに関わる免疫のトレンドを しっかりと勉強され 上手にまとめられましたね! さすがです! 日本免疫学会の会員である書き手にとっても とても勉強になる内容でした 日本免疫学会の年次学術集会に 度々ゲストとして参加されている イエールの岩崎先生を呼ばれたのも良い選択でした フェミニストの宮坂先生が 人選をサジェストされたのかな?(笑)
高橋医院