J・ダイアモンドが語るコロナ後の世界・3
番組の最後にダイアモンドさんは ポストパンデミックの世界に思いを巡らせます @今回の危機は未来に何をもたらすか? 世界が問題解決のために地球規模で行動を起こすことの 必要性を認識する 今回のパンデミックがその機会になってくれないだろうか? たとえば グローバル化が進んだ現代は 自国で感染を抑え込んだとしても 他国で終息しない限り再び自国に飛び火する恐れがあり 必然的に国際協力が不可欠になる 一方 今回 世界史上初め 全世界が同時に危機に直面したが 世界を覆う潜在的な危機は 以前から別の形で進行している 新型コロナウイルスは世界の全員を死に追いやらないが 気候変動は 全ての人の命を奪う可能性があり この問題には世界全体で取り組む必要がある 全世界で二酸化炭素を減らさなければならない 資源の枯渇 貧富の格差 乱開発なども大きな世界的な問題で 新型コロナウイルスの流行をきっかけに 地球規模の課題解決に取り組む機運が高まると良いと思う @世界はこれからどうなる? 今 世界中で 分断と対立が起こっていて 新型コロナウイルスのワクチンの独占性も大きな問題だ ただ 楽観的なことも起きていて 危機に際して世界の科学者間での連帯が進んでおり 情報はこれまでになくオープン化され 問題解決のために多くの国をまたぐ共同論文が多数公表されている それ以外にも さまざまな連帯の兆しもあるので 未来を慎重ながらも楽観している グローバル化は止まらないが その中身やあり方は変わっていくだろう 分野により グローバル化が増す分野 減る分野があり ジェット機を使った旅行は減るだろうが 情報交換や科学分野でのオープンな交流は増えるだろう @最も悲観的なシナリオは? 最も悲観的なシナリオは 決して新型コロナそのものにより引き起こされるわけではない 現代社会は 森林 海洋資源など世界の資源を使い過ぎていて あと30年で資源は枯渇してしまう 世界を持続可能にするには 残された時間は30年くらいしかない 世界が持続可能な軌道に乗らないことが最悪のシナリオで 文明を支えられなくなる 新型コロナのパンデミックばかりに目を向けて そうした喫緊の課題を忘れてはならない 一方 最高のシナリオは 世界が地球規模の課題解決について学ぶことで そうすれば持続可能な軌道に乗れるかもしれない 私たち自身が どう解決するか? 持続可能にさせる方法を知っているのに 行動できていない さまざまな資源を 過去に行っていたような方法で管理することも大事で 例えば日本は 江戸時代には森林管理の世界的リーダーだったのに 今は全然それが生かされていない 今回のパンデミックだけにとらわれることなく 持続可能な経済を開発し 文明を生きながらえることができるか? それが一番大きな問題だと思う 新型コロナウイルスのパンデミックの機会を利用して もっと喫緊の大きな世界的問題について 全世界で解決策を考えていくことの重要性を ダイアモンドさんは懇々と説かれました 書き手も そのような認識が甘かった点があるのは否めません これを機会に 注意を払っていきたいと思います
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