マッケンジーは器用貧乏で終わるのか?
3月から行われていた ニュージーランドのスーパーラグビー アオテアロアが 5/8にファイナルを迎えました ファイナルゲームを戦ったのが オールブラックスメンバーをずらりと揃え このところずっと連覇している常勝クルセイダーズと なんとチーフス まさかチーフスがここまで来るとはと 驚かれた方も少なくないと思います だって 昨シーズンは全敗で終え 今シーズンも2連敗でスタートして チーム史上最悪の連敗記録を更新していましたから ところがハリケーンズとの接戦をものにしてから まるで物の怪が落ちたように大逆転勝ちの連勝を続け あれよあれよという間に 何とファイナルまで上り詰めました! で チーフスの中心プレーヤーといえば 書き手が御贔屓の ダミアン・マッケンジーですね 試合終盤に逆転トライを上げたり さよならPGを決め チームメートから祝福を受けるのが お約束の光景になっていました
ダミアンは今シーズン SOかFBで起用されることが多く そうなるとクルセイダーズとのファイナルでは クルセイダーズ そしてオールブラックスのSO リッチー・モウンガとのSO対決が注目されることになります で そのファイナルでは マッケンジー自らラインブレイクしたり 見事なトライを決めたのですが 終わってみれば 総合力が上回るクルセイダーズが 24-13で余裕の勝利し 連覇を成し遂げました 優勝セレモニーでお約束の ヘッドコーチのブレイクダンスも披露されて 盛り上がっていましたが この試合で光ったのは モウンガのSOとしての充実ぶり 解説者のひとりは 「彼は新たなクラスを示した」とまで高く評価していました 書き手も同じ意見です 安定したゲーム支配をもたらすパスの供給 絶妙なところで相手デイフェンスの裏に転がすキック 時折見せるがゆえに効果的な自らのラインブレイク これらが円熟味をさらに増してきて 今やオールブラックスのSOのポジションを 確実にもぎ取ったように思います SOとしては ボーデン・バレットより優れていると 思われる方も少なくないのではないでしょうか? それに対してマッケンジーは どんな試合でも必ず試合後のインタビューに呼ばれ 試合の実況中も名前が連呼される人気ぶりは変わりないのですが SOとしてのプレーは 正直言ってモウンガに劣るかな プレーの選択の幅が少ない サイドに素早いパスを渡すことが多く 創造性がもう一つなのですよ やはり彼は 自ら俊足を生かしてラインブレイクするプレーが いちばん魅力的だと思うのですが 今シーズンは ブレイクしきれない場面も多くて うーん ちょっと と思うこと多々ありました SOもFBを器用にこなせてしまうだけに かえって自分の個性 良いところを 充分に発揮しきれていないような気がします で こうなると気になるのが オールブラックスでの彼の使われ方です SOとしては モウンガに一歩も二歩も先にいかれてしまったし となると FBのポジションを他のプレーヤーと争うことになる FBの候補には バレット兄弟や 最近好調のウイル・ジョーダンなどもいますからね ポジション争いは なかなか激烈です 去年のオールブラックスは FBとしてはダミアンよりジョーデイ・バレットの方が 評価されていた感じもありました フォスターHCはじめオールブラックスの首脳陣が マッケンジーをどう使いこなすのか? 今のままではマッケンジーは 器用貧乏のまま埋もれてしまう気がして心配です
高橋医院