お酒だけならいいけれど、、
中央区・内科・高橋医院の お酒と健康に関する情報 ホントにお酒を飲んでも太らないの? 前回の与太話では なんだか適当に丸め込まれた気が なきにしもあらずだけれど 太るのか太らないのか いったいどっちがホントなの? こうした切実な疑問に答えるために 何千人~何万人を対象にした調査研究が 世界各地で行われています 皆さん 知りたいことは同じですね! そして 今のところ得られているコンセンサスは 「アルコールは肥満の危険性を増大させない」 メタボ傾向の左利きの皆さん ホッとされましたか?(笑) 実際にさまざまなことが検討されていて 興味深いデータが数多くあります 特にアルコールの飲み方 1日にどれだけの量を飲むと太るか? 1週間に何回飲むと太るか? といった視点からの研究が 興味深い事実を教えてくれます まず1日の飲酒量は 大量(1日4ドリンク以上)に飲むと 肥満になりやすいけれど 少量から中等量(1日1~3ドリンク)なら むしろ肥満抑制効果が期待できる! この傾向は特に女性で強いそうです 1週間の飲酒回数は 回数が多い方が太りにくく むしろ回数が少ない方が肥満になりやすい! しかもなんと不思議なことに 1日の飲酒量が同じ場合 1週間の飲酒回数が1回より頻回の方が 太らない 上の棒グラフは 縦軸は肥満の程度(BMI) 横軸は1週間の飲酒回数になっていて (左端のQ1は少ない 右端のQ5は多い) 黒い棒は1日の飲酒量が少ない(1ドリンク) 白い棒は中程度(2ドリンク) 横線の棒は多い(3ドリンク) ご覧になってお解りのように Q1からQ5にむけてグラフの高さは右肩下がりですから 1日の飲酒量が多くても少なくても 1週間の飲酒回数が少ない方が太りやすい ホントなの? そして 多くのデータをまとめて得られた結論は いちばん太りにくいのは 頻回に少量の飲酒をする人 いちばん太りやすいのは 飲酒機会は不定期だけれど 一度の飲酒量が多い人 うさ晴らし的な飲み方をする人 皆さん びっくりされていますか? 書き手はこれらの文献を 読んでかなりびっくりしました! でも そういえば、、と思う節もあります 書き手は一時期 平日は飲まずに週末だけ飲んでいたことがあり 今思い返すと 確かにそのような飲酒パターンをしていたときは 体重が増えて驚いた記憶があります 平日は我慢してたのに!(苦笑) それに 知人に毎日4ドリンク以上 コンスタントに飲んでいる人がいますが 彼はいちども太ったことがない で さらに詳細に思い出すと 週末だけ飲んでいたときは たくさん飲んで しかもかなり食べていた 件の知人は毎日飲むけれど 飲むときにあまりたくさん食べない うーん、、、 こうしたデータを解釈するのは難しいです はっきりと言えることは 飲んだアルコール総量が 肥満と関連しているわけではない ということ では どうして 飲む頻度が少ない人の方が太るのか? 自分の体験からも 論文の考察でも 少量をコンスタントに飲む人と 大量を不定期に飲む人では 飲むときのつまみの食べ方が異なり それが体重増加に影響を及ぼしている可能性が 推測されます アルコールは食欲増進作用がありますし 飲んだときは 脂の多いものや味付けが濃いものを 食べたくなる むちゃ飲みするときは 大抵夜遅くまで飲むので 夜遅くに脂ものを食べることになる そういう食べ方は 概日リズムの話題で解説したように 確実に太る ましてや前回説明したように アルコール代謝が優先されて 糖質や脂質の代謝は後回しにされるので 寝ている間に糖質や脂質が代謝され そのほとんど全てが脂肪として蓄積されてしまう お酒と一緒に食べるつまみの内容 食べる時間に 肥満との関連がある可能性が大きい もしかしたら 一度に大量飲酒する人と 毎日少量の飲酒をする人では 一緒に食べるつまみの内容や 食べる時間に差異があるのではないか? どうも飲酒時の食べ方に 太る原因が隠れていそうです ちょっとおまけですが こんな興味深いデータもありました ワインを飲む人は ビールや蒸留酒を飲む人より 栄養価が低いものを適切な時間に食べているので 太らないけれど ビール・蒸留酒愛好家は太りやすい また以前に解説した睡眠との関連では 睡眠時間が6時間以下の人は アルコール過飲になりやすく 食事パターンが乱れやすく その結果太りやすい 仕事で夜遅く家に帰って 食事を始めたらついついお酒を飲み始めてしまい そのまま遅くまで飲み食いしてしまい 寝るのが遅くなり睡眠時間が短くなってしまう ありがちな生活パターンですね 当院の患者さんでも こうした食習慣・飲酒習慣の方は少なくありません 皆さんもご自分の 飲酒パターン・食事パターンを いちど冷静に振り返ってみませんか?
高橋医院