朝立ちを 軽んずるなかれ
お品のないタイトルで恐縮ですが(苦笑) でも 大切なことのようです 女性の方は おわかりにならないでしょうが 男性の方は若い頃に これで股間を抑えて目が覚めたことを 経験されたことがあるでしょう(笑) 朝立ち 医学的に言うと 早朝勃起・夜間睡眠時勃起 ですが これが 男性更年期障害の原因となる テストステロン低下の初期の バロメーターとなるのだそうです だから 中高年の男性患者さんの 朝立ちの状況を把握することは大事! うーん 今まで そんなことを考えたことはありませんでした、、、 そもそも 朝立ち は 欲情が関与しない あくまで テストステロン依存性の生理的現象であり テストステロンの低下は 朝立ちの自覚喪失を引き起こす 朝立ちの障害は テストステロン低下により誘導される 血管内皮細胞機能の障害によって 起こりますが 血管内皮細胞機能障害は 最も細い直径1~2mmの陰茎動脈から始まり 引き続き 3~4mmの心臓血管 5~7mmの脳の血管の 動脈硬化へと進行する可能性が高い つまり 朝立ちの障害は 心血管障害の早期マーカーにほかならないわけで このことは 日本循環器医学会のガイドラインにも 記載されています ちなみに ED・勃起障害も テストステロン低下による 陰茎の海綿体の血流維持の低下によるもので 海綿体に血流を供給する陰茎動脈は 前述のごとく細いので 動脈硬化の影響を受けやすい 糖尿病や脂質異常症などの メタボリックシンドロームは はっきりとした自覚症状がないので ED・勃起障害が 最初に自覚される自覚症状となり 生活習慣病や それにともなう動脈硬化性血管病の 早期診断に使える可能性があるそうです そうなんだ! 実際に 糖尿病 高血圧 脂質異常症などが原因のEDが 増えているそうです そして 動脈硬化の診断には 頸動脈エコー検査や脈波速度検査が 行われることが多いですが 男性には「元気に朝立ちされていますか?」 とうかがうことが より鋭敏な検査に匹敵するようです 前回ご説明したように こうした性機能障害は 内科でなく泌尿器科の先生が 診療する機会が多いのですが 泌尿器科の偉い先生が言われるに 内科の医者は 朝立ちを軽んじすぎている! 糖尿病や生活習慣病 LOH症候群を疑う患者さんには きちんと朝立ちや勃起障害のことを 詳しく問診しないといけないのに 内科の医者は 恥ずかしがっているのか 格好つけているのか知らないけれど そんなことを患者さんに聞くのはとんでもないと 思っている節がある それは 間違っている! と うーん 耳が痛いですね、、、 確かに初診で来られた患者さんに いきなり「朝立ち 元気ですか?」とお尋ねしたら 診察室の空気が固まるかもしれません(苦笑) 年配の患者さんだったら マジで怒られてしまうかもしれない でも 朝立ちやEDが 動脈硬化や生活習慣病の 早期診断のマーカーになるなら 是非とも 患者さんに状況を伺うべきです 現に 糖尿傍 脂質異常症 メタボリックシンドロームは 早朝勃起障害やEDの 独立した危険因子だそうです 再度 うーん 奥が深いですね、、、 そんなわけで 内科医はだからダメだ!と言われないように 当院でも 糖尿病やメタボの中高年の男性患者さんには 大変 不躾なことを伺うかもしれません その際には 今日 解説したようなこともご理解いただき 決してふざけているわけではないことを ご承知おきくださると幸いです どうか宜しくお願い致します
高橋医院