原因としてのストレス
自律神経失調症の原因で いちばん重視されているのは ストレスです <ストレスが自律神経に及ぼす影響> 身体を取り巻く 外部環境に変化が生じると その状況を大脳皮質が判断し 大脳辺縁系で情動となり ストレスとなって視床下部に伝わり 自律神経に影響を与えます ストレスがかかると 身体は反応します ときには ストレスにより程よい緊張感がもたらされて 良いのですが この状態が長く続いて許容範囲を越えると 異常な反応が起こり 心身の機能が狂ってきてしまいます 厄介なことに 本人は ストレスがかかっていることを 自覚していないことが多く またストレスの原因の特定は難しく 時間がかかります というのも 原因はひとつではなく 内的要因と外的要因が複雑に絡み合うからです また 似たようなストレスに対しても その反応はヒトにより異なり 症状が一時的に改善しても ぶり返すこともよくあります <ストレスの種類> ストレスの代表的な例としては @身体的ストレス *病気 怪我 睡眠不足 栄養不足 不規則な生活など @精神的ストレス *不安 恐怖 挫折 怒り *健康や将来に対する不安 家庭内の問題 @社会的ストレス *仕事 学業に関する問題 *人間関係のいざこざ @物理的・環境的ストレス *気圧の変化 寒暖の変化 *季節の変わり目 *騒音 照明 災害 などがあります <ストレスの発症に影響を及ぼす因子> @年代 年代によって影響を受けやすいストレスは異なります *成人では 生活環境の変化 就職 結婚 子育て など *中年では 社会的責任の増大 更年期 など *老年では 体力の衰え 健康問題 老後の不安 孤独 など このように 自律神経失調症の原因になり得るストレスは 多種多彩です @季節の変わり目 意外なのが 季節の変わり目や寒暖の変化も ストレスの原因となり得ることです 確かに 春になると調子が悪くなると言われる患者さんも よくおられます さて こうしたストレスがかかっても そこから自律神経失調症まで進んでしまう方と 進まない方がおられます その差は 生活習慣や 個人の体質・性格によります 次回はその点について説明します
高橋医院