類縁疾患 鑑別すべき疾患
特定の器官だけの症状が見られる 自律神経失調症は 別の病名で呼ばれているものもあります @パニック障害 *突然の動悸 息切れ 胸痛 頻脈 呼吸困難 を訴えます @起立性調節障害 *加齢で増加し 男性に多い *朝起きられない人が 実は起立性調節障害であることが多い @機能性胃腸障害・胆道ジスキネジー @過換気症候群 @メニエール病・咽頭喉頭異常症・乗り物酔い @口内異常感・舌痛症・顎関節症 @片頭痛・緊張性頭痛 *血管収縮後の一気の拡張により生じる @円形脱毛症・発汗異常・慢性じんましん @夜尿症・神経性頻尿 @更年期障害 これらの疾患の病態には 自律神経の異常が関与していると考えられ 自律神経失調症の類縁疾患と見做されています 一方 自律神経失調症と鑑別すべき疾患 自律神経失調症と見誤ってはいけない疾患もあります また 合併症として自律神経の異常を認める疾患もあります @糖尿病 *糖尿病では 末梢神経障害の一環として 自律神経失調症が起こりやすい *糖尿病の自律神経失調症は治りにくい @膠原病 @貧血 @甲状腺機能異常 @精神疾患 *軽症だと 自律神経失調症と症状が重なることが多いです @心身症との違い 心身症は 悩み 不安 不快 気掛かりなどの 精神的ストレスが引き起こす 臓器の器質的異常をきたす病気です 自分でストレスが自覚できていなくて 体の不調ばかりを訴えることが多く 過剰に社会適応してしまう人にみられる傾向が強い疾患です 症状は 器官特異的ではっきりしていて 明らかに器官の器質的異常を認め 自律神経失調症のように 不安定な症状はありません 内科的治療により 症状の改善は認めますが あくまで原因はストレスなので そこを解決しないと 良くなりません @うつ病 神経症との違い 自律神経失調症は 身体症状だけでなく 精神症状もともないやすいのですが その精神症状は うつ病や神経症に似ていても 本格的な精神科領域の疾患 精神病理的なものでは ありません 一方 うつ病は *抑うつ気分 絶望感 不安 焦りなどにより 行動や思考が抑制される *心身のエネルギー状態が極端に低下している *朝ひどく 夕方に改善する 日内変動がある *マイナス思考 悲観的になり 衝動的に自殺に走る傾向もある といった特徴が認められます 注意すべきなのが 仮面うつ病 で 身体症状が強く前面に現れ 精神症状は比較的軽いので 自律神経失調症と間違えられやすいのが特徴です 神経症は 不安・心配などの心理的原因から 身体の不調を訴える病気で 最も多い精神疾患です パニック障害・全般性不安障害・強迫性障害 などのタイプがあり 強い不安 緊張がみられ 動悸・息苦しさ・めまい・発汗・頭痛・ふるえ などの症状も訴えます
高橋医院