原因としての生活習慣・体質・性格
ストレス以外にも 自律神経失調症の原因はたくさんあります <現代社会の不規則な生活・生活リズムの乱れ> 不規則な生活 生活リズムの乱れは ストレスと並んで 自律神経失調症の大きな原因のひとつです 具体的には @昼夜のリズムの変化 *交感神経と副交感神経の スイッチの切り替わりがうまくいかない *夜型は 自律神経失調症を起こしやすい 夜は休むべきなのに休まないと 自律神経のバランスが崩れてしまいます @朝食抜きなどの不規則な食生活 @過度な冷暖房のなかで生活する @パソコンやテレビゲームばかりしている @歩かない車社会 @無駄の省きばかりを優先する 過度に合理的な生活様式 しかし患者さんは こうした生活習慣の乱れがストレスとなり 自律神経失調症の原因となることを 認識されていないことが多い ですから 自律神経失調症は 生活習慣病でもあって 不規則な生活は 自律神経失調症の原因となることを 患者さんに気付いていただくことが 重要です <個人の体質 性格> @自律神経の調整機能が弱い体質 ちょっとしたことで バランスを崩しやすい *小さい頃から虚弱体質 *冷え症 食べても太らない 下痢しやすい 疲れやすい 低血圧 *ストレスに弱い傾向がある といった体質の方は要注意です そうした方は 自分の体質を知ったうえで 上手に付き合うことが大切で 悪くなる契機 パターンを知り ひどくなる前に体調を管理して 症状を防ぐようにすると良いでしょう @ストレスに弱い性格 #感情を抑えこんでしまう *ノーと言えない *まじめで仕事熱心 完璧主義で 決まったパターンを好む *融通が利かない 適当に振る舞えない 開き直れない 気分転換が下手 *我慢して頑張ってしまう *クヨクヨ考えがちで 些細なことが気になる #感情表現や処理の仕方が下手 *情緒不安定で イライラしてしまう *他人を思いやれない *対人関係でトラブルを起こしやすい #身体の生理的な欲求を抑えてしまう *空腹や便意を我慢してしまう #権威 肩書に弱い #親離れできていない #人に依存しがち #周囲の眼 他人の評価を気にしてしまう #気持ちの切り替えが下手 #マニュアル通りにしか行動できない #無理しても頑張ってしまう こういった性格の方は要注意ですが 本人が自分の性格を 把握 自覚していないことが多いので まずそこに気がついていただくことが大切です 体質や性格は薬では変えられませんが 日々の生活でさまざまな注意をすることで 多少なりとも改善できます 具体的な対処法については あとで詳しく説明します <女性ならではの原因> 最後に 自律神経失調症の発症に影響を及ぼす 女性ホルモンについて言及します 自律神経失調症は 女性に圧倒的に多い病気ですが それは 女性ホルモンの分泌異常と関連しているからです 思春期や更年期には 女性ホルモンの分泌が不規則になります ホルモンの分泌は視床下部が制御しますが 既に説明したように 視床下部は自律神経の制御にも深く関与します ですから 自律神経失調症と女性ホルモン分泌異常は リンクしやすく 思春期や更年期の女性は注意が必要です また 女性ホルモン以外にも @人間関係のストレスに敏感 @言葉でのコミュニケーションを 重視する傾向がある といった女性特有の性質も 自律神経失調症を発症させやすくしています 女性ならではの 繊細な性質が 裏目にでてしまうようです
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