CKDの治療・高血圧
CKDの治療は
@その原因となる
生活習慣を改善すること
@併存する生活習慣病の治療を
しっかりと行うこと
につきます
まず基本は
生活習慣の改善(禁煙 減塩 肥満の改善など)
を行うことです
*バランスの良い食事
*適度な運動
*禁煙
*肥満の是正
などを中心に 地道な努力が必要になります
CKDにおける生活習慣病の治療について
今日は高血圧について説明します
@治療目標
CKDにおける降圧の意義は
CKD進行の抑制
および心血管疾患の発症や死亡のリスクの軽減で
目標値は 130/80 mmHgで
到達した血圧値が低いほど
GFRの低下速度が遅くなります
@生活指導
まず 生活習慣の改善
特に減塩(3 g/日以上6 g/日未満)で
減塩により
血圧降下薬の降圧効果が増強されます
食塩制限が困難なときには
利尿薬を少量から併用することもあります
サイアザイド系利尿薬
(CKDステージG1~G3)
長時間作用型ループ利尿薬
(CKD ステージG4~G5)
を併用することで
食塩排泄を促進できるとされています
@薬物治療 第一選択薬
生活習慣の改善だけでは
効果が得られないときは
降圧薬を用いた治療になります
糖尿病がない場合は
尿蛋白が正常なら
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
カルシウム拮抗薬
利尿薬
尿蛋白がある程度あれば
アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
糖尿病がある場合は
アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
が用いられます
ACE阻害薬やARBで降圧すると
それらが有する腎保護作用により
尿蛋白や尿中アルブミンが減少し
これら薬剤の
CKD進行抑制効果の大部分は
尿蛋白減少に依存しています
また
尿蛋白・アルブミン排泄量が多いほど
これらの薬剤による治療効果が期待できると
報告されています
@高齢者など
脳梗塞や狭心症・心筋梗塞などを
すでに合併している患者さんでは
過度の降圧により病気を増悪させ
かえって死亡率が高まるリスクがあり
特に高齢者では
過度の降圧は
腎機能を悪化させる可能性がありますから
2~3 カ月かけて経過を観察しながら
降圧目標値を達成するよう
緩徐な降圧治療が必要とされます
高齢者では
140/90 mmHg を目標に降圧し
腎機能悪化や臓器の虚血症状が
みられないことを確認してから
130/80 mmHg 以下に慎重に降圧します
また 過度の降圧は
腎機能を悪化させる可能性がありますから
収縮期血圧110mmHg 未満への降圧は避けます
@併用療法
第一選択薬を使用し
降圧目標が達成できないときには併用療法が必要で
ARBを第一選択薬として
降圧目標が達成できないときは
*長時間作用型Ca拮抗薬
*サイアザイド系利尿薬
(CKDステージ1~3)
*長時間作用型ループ利尿薬
(CKDステージ4~5)
による併用療法を考慮します
高橋医院