欲望の資本主義 2018

番組の後半は
人の貨幣への愛の話題から始まりました


<第6章 幻想の貨幣愛>

投資銀行のトレーダーで
巨大な額のマネーを日々取り扱ってきた 
カビール・セガールさん

カビール・セガールさんの写真

人は頭の中に 
いつも金に関する関心や欲望がある 
と指摘します

お金を使っているつもりで 
お金に使われている

そこが 金の厄介なところで
人生を左右してしまうほどの強い力がある

金への偏愛 と書かれたカード

一方 金が多ければ多いほど 
将来の不安がなくなる

だから人は 
安心するために過剰な金を求める

このように 

人は 恐怖と欲望からできている

だから もっともっと金を となってしまう

語るカビール・セガールさん

しかし 
人々が貯蓄に走ると 社会に恐慌が起きてしまう

マルクスは 資本論のなかで

カネが王 モノが家来 という幻想がある

と書きました

カネが王 モノが家来 と書かれたカード

セドラチェク

現代は GDP神話に生きる時代なので

金に対するフェテイッシュな欲望 執着がある

と指摘します

お金への幻想愛 確かにあるかも?(苦笑)

さて ケインズは世界恐慌に際して

失業が社会の最大の不安なので
欲望の対象である貨幣をたくさん作ればいい

人はいつも 
手の届かないモノへの憧れにとらわれてしまう

その無意識をコントロールすることが 
資本主義の鍵である

と述べました

ケインズの写真

このことを セドラチェクは こう解釈します

金が 道具でなく 目的になっている

金はあらゆるものと交換可能だから 
人は金を欲望し
使うことでなく 貯めこむことが目的になる

こうした目的と手段の逆転により 
人は金の奴隷になってしまう

語るセドラチェック

いやはや ですね

読み手の皆さんは 耳が痛いですか?
書き手は ちょっと、、、(苦笑)


<第7章 二つの世界を欲望が覆った>

資本主義と社会主義が 
力の均衡を示していた時代

その終盤の1980年代に
レーガンとサッチャーによる 
大胆な経済改革が起こりました

レーガンとサッチャーの写真

世にいう 新自由主義 の流れですね

市場原理主義 とも呼ばれていました

ダニエル・コーエンは 
この改革をつぎのように評します

当時 進歩的な学者などにより喧伝されていた
生産にとらわれる時代ではない 
ポスト物質主義が到来しているという
そんな考え方は 間違いだとする改革だった

この改革は
それまでの社会の型を破壊し変形させ 
悪徳の栄え を引き起こした

語るコーエン


強欲 を 成長の原動力として解き放ったのだ

強欲 を 成長の原動力として解き放ったことを示す図

1980年代以降の資本主義は
社員や労働者の切り離しに新たな価値を見出し
大企業は社員を守らなくなった

レーガン・サッチャーの革命により

市場の力が解放され
世界中にウオール街のマネーパワーが
解き放たれた

世界中にウオール街のマネーパワーが解き放たれたことを示す図

ウオール街の暴れ者たちは
真の価値を見ず 
目先の利益を得るためだけのために
会社を分割して売り払いバラバラにした

これが 新しい「金融資本主義」の基礎になっている

資本の増殖を求めて
バーチャルな価値が行き交い増殖する現場

自由な取引を掲げてきた市場だが

その実情は

一部のトップ投資家だけが市場を支配し
巨大なマネーが 
さらなるマネーを引き寄せる

巨大なマネーが さらなるマネーを引き寄せることを示す図

それが 資本主義のリアルである と指摘します

また セガールは 
実際にトレードをしていた人らしく
金融と政府の関係について言及します

政府からの借金の要請を 
銀行などの金融界は断らない

それが現代経済 現代社会の基盤なので
大手銀行は 
政府に金を貸すことで巨大なパワーを持つに至り

政府と大手銀行の関係は
今や 互いに共存する生物のようなものになっている と

いや~ ”あなたの知らない世界” ですね(苦笑)


閑話休題で

さて 
資本の暴走の歯止めともなっていた
社会主義が崩壊すると

膨れ上がる資本の運動の勢いは 
止まることがなくなり
グローバリゼーションはさらに加速化したのです

グローバリゼーションはさらに加速化したことを示す図

ここで再び 
セドラチェクとガブリエルが議論します

セドラチェクは こう指摘します

社会主義との葛藤があったから 
資本主義は発展できた

資本主義社会では 
社会主義がやっていることの
追試実験ができたので
自らの方針を修正することができたけれど

社会主義社会では 
それができなかったので
行き詰まってしまった

社会主義社会では それができなかったので行き詰まってしまったことを示す図

そして 
社会主義が崩壊すると 
今度は資本主義が迷走し始めた


ガブリエルはこう答えます

資本主義においては 
常にシステムが変化している

昨日の資本主義は 今日の資本主義ではない

そして 創造と破壊のスピードは上がり続ける

こうして考えてみると
資本主義のカウンターパートとしての
社会主義の存在は
大きかったのですね

資本主義の暴走の歯止めの役割も
果たしていたわけで

その社会主義が崩壊した後に 
金融資本主義が抜鈎するようになった

という歴史の流れは

その時間の流れのさなかを
リアルに生きてきただけに 
ちょっと昔を振り返ってみて 
そうだったのか~! 
と思うようで
なんとなく感慨深いです

それにしても

金融資本主義とグローバリズムが推し進めた 
金への偏愛

この路線が先鋭化していったのは
それが人間の本能に根差しているから 
なのでしょうか?(苦笑)

 

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