働くのは 何のため?

そんな根源的な問いを突き付けながら
番組はエンデイングを迎えます

<第10章 ゲームは終わらない>

イギリスの経済学者の
ロバート・スキデルスキー

ロバート・スキデルスキーの写真

働くことについて こう語ります

人は働かないことへの恐怖がある

働かないことは 
余興ではなく失業と捉えられる

働かないと所得が減り 
生き甲斐がなくなることと同じになる

仕事を減らす自動化が進む社会で
人々はどうすべきか?

働かないことは人々を開放するのか
それとも生きる意欲を喪失させるのか?

語るロバート・スキデルスキー

やがて 今存在している仕事の50%は
AIや機械に代替されてしまい
労働時間は減って週20~25時間になるという

その時に 社会や人々は
所得減に対してどう対処すればいいのか?


オランダの歴史家・ジャーナリスト
ルドガー・ブレグマン

ルドガー・ブレグマンの写真

減った所得を
国家がベーシックインカムとして保証すべきか

について論じます

国家がベーシックインカムとして保証すべきか と問う人々の姿

ニクソンは70年代に
ベーシックインカムを試みようとしたが
民主党のより高い額の要求で頓挫した経緯がある

その時行われた ベーシックインカムの社会実験では
社会保障費は下がり 
犯罪は減少し
子どもの成績は上がり
人々は労働を止めなかった

ベーシックインカムは
危惧されていた社会的混乱も引き起こさず
健全に機能していたのである

ベーシックインカムは健全に機能していたことを示す図

離婚率が50%に上がるとされたので
共和党は反対したが
そのデータは間違いだったことが判明した

ベーシックインカムが
アメリカで葬り去られたのは
悲劇だった


一方 カビール・セガールは こう語ります

自動化で仕事が減る社会では
富を生み出すために皆が働く必要はなくなる

そして 自由に使える時間こそが富 
有限の貨幣となり
自由な時間こそが 
最高の価値を持つようになる

語るセガール

でも 仕事人間は
そう簡単に自由な時間を
楽しめないのではないかな?(笑)


再び コーエンがシュンペンターの警句を引用します

シュンペーターは
資本主義は生き残れないと予想した

なぜなら 官僚的なプロセスのせいで
資本主義に必要な起業家精神が失われる 

と考えたから

資本主義は生き残れないと予想するシュンペーター

シュンペーターは

資本主義は その成功ゆえに
土台である社会制度を揺さぶり 
自ら存続不能に陥り
社会主義へと向かう状況が必然的に訪れる

と予測したのです

世界を覆い尽くした資本主義の
成功ゆえに失われるもの
成功ゆえに生まれる裂け目

それは 何なのか?


ウルリケ・ヘルマンは
現代の資本主義の問題点を指摘します

現代資本主義世界では
複数の巨大企業に売り上げの大半が偏り
競争は実際には存在していない

村のような狭い社会 
エリートのお友達集団で
全てが決定され
競争なき 富の固定化が起きている

そして

資本主義は
人類がはじめて発明した
経済成長を生み出す魅力的なシステムだが

残念ながら 
永久に成長し続けることはできない

資本主義が崩壊するのが先か
人々が資本主義から抜け出る道を
見つけるのが先か?

と 資本主義の未来について 
やや悲観的に語ります


ロバート・スキデルスキー

資本主義は 資本を蓄積する仕組みだが
それがもはや重要でなくなったときに
資本主義のシステムはなくなる

代わって現れるのは 社会主義ではなく

もうけるというモチベーションが
重要ではなくなる世界である

と予測します

もうけるというモチベーションが重要ではなくなる世界について説明する図

遂に人々は 
欲望からの解放されるのでしょうか?

欲望からの解放? と書かれたカード


ガブリエルは 
資本主義の将来をどう考えているのでしょう?

資本主義の代替案があるだろうと考えて
モノの生産と消費に関する理論をたくさん考えたが
そのすべてが間違っていたことが
技術の進歩の歴史で証明された

資本主義は
さらに多くの矛盾を生み出し 
人類を滅ぼしかねない

現在起きていることについての
マシな理論をたてないと
人類の滅亡は本当にやってくるだろう

語るガブリエル

やはり かなり悲観的で 
しかも切羽詰まった意見です


光を追い求めるうちに 
闇を忘れ去ったのか?

リンゴを高く売ることに夢中になって
リンゴの味を忘れたかのように

顔がリンゴの人のイラスト

専門家たちの悲観的な意見を相次いで聞いて
ナレーターは ポツリとつぶやきます


最後に登場するのは セドラチェク

資本主義は 何とか機能しているが
誰も なぜ機能できているかはわからない

現象の細部まで全てを説明できる
完璧な理論はない

資本主義はある程度までは機能するが
完璧ではないということに
いつも注意すべきである

現在の世界について確実なことは 
誰にもわからない

説明するセドラチェック


うーん 世界の俊英たちが議論した結論が 
そこですか

書き手も確かに
世の中に確実なことなんてないとは思いますが

でも 最後は
もう少しポジテイブなメッセージが
欲しかったな(苦笑)


数字のゲームから 誰も逃れられない
でも ゲームにはルールがある

そして ルールを決めるのは 
時代の 私達の欲望

今夜もルールは 書き換えられていく

欲望の資本主義


最後の数秒
こうしたナレーションが流れて
番組は終わりました

うーん 面白かったけれど 
最後の結論はインパクトに欠けたかな?


今度は ポスト資本主義の未来社会 
について語る番組を企画していただきたいものです

最近は
そうしたテーマについて書かれた本を
よく目にしますが
それこそ世界のエッジの人たちは 
どう考えているのか?

そのとき 
本当に人々は欲望から解放されて
自由な時間を楽しめるのでしょうか?

そのためには
やはり
資本主義に代わる新たな経済システムが
必要だと思います

それが 
ベーシックインカムのようなものか?
それとも シェアリングシステムのようなものか?
または 全く新しいシステムなのか?

NHKさん
そのあたりにフォーカスした番組 
期待しています!

 

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