ミネラルとは?
中央区・内科・高橋医院の
健康のための栄養学に関する情報
ビタミンについて解説したので
同じく微量栄養素の仲間である
ミネラルについても
この機会に勉強しようと思います
<ミネラルとは?>
地球上には100種類の元素がありますが
ヒトの体の約96%は
酸素(O) 炭素(C) 水素(H) 窒素(N)
の4種類の元素により構成されています
この4種類の元素以外の
体を合成する生体元素がミネラルです
ちなみに
体を構成している重要な有機物質である
*タンパク質は
炭素 水素 窒素 酸素 硫黄
*脂質は
炭素 水素 酸素 リン
*糖質は
炭素 水素 酸素
*核酸(DNAなど)は
炭素 水素 窒素 酸素 リン
の各元素で出来ています
これらの物質は炭素を骨格にしていて
有機物質と呼ばれます
それに対してミネラルは
無機物質と呼ばれます
<体を構成する元素>
私達の体は
酸素 炭素 水素 窒素
を中心にできていると説明しましたが
各元素が
どれくらい存在しているかというと
酸素65% 炭素18% 水素10% 窒素3%
これだけで 96%
残りの4%がミネラルで
*比較的多いのは
カルシウム1.85% リン1%
*少量なのは
カリウム0.35% イオウ0.25% ナトリウム0.15%
塩素0.15% マグネシウム0.05%
といった具合で
ミネラルの含有量は
非常にわずかなことがわかります
<ミネラルの種類>
体内に存在し
栄養素として欠かせないことがわかっているミネラルは
下記の16種類が知られています
ナトリウム マグネシウム リン イオウ
塩素 カリウム カルシウム クロム マンガン 鉄
コバルト 銅 亜鉛 セレン モリブデン ヨウ素
このうち 厚生労働省が摂取基準を決めているのは
イオウ・塩素・コバルトを除く13種類
下記の 主要ミネラル 微量ミネラル です
<主要ミネラル 微量ミネラル>
ミネラルは わずかな量でも
体の機能を正常に働かせる大きな役割を担っているため
体にとって必須なものです
1日の推奨摂取量が
*100mg以上の 主要ミネラル(多量ミネラル)
*100mp未満の 微量ミネラル
に分類されます
@主要ミネラル
カルシウム リン カリウム ナトリウム マグネシウム
の5種類
必須ミネラルの90%以上を占めます
@微量ミネラル
鉄 ヨウ素 亜鉛 銅 セレン マンガン モリブデン クロム
の8種類
必要量は ごくわずかです
<ビタミンとミネラルの関係>
@共同作業をします
ビタミンとミネラルは共同で
体のさまざまな機能を
維持・調節する働きをしています
@共通点
ともに体内で合成できないため
(一部のビタミンは腸内細菌が作ります)
常に食物から摂取していないと不足がちになります
ビタミンは
ミネラルが不足していると
効果を発揮することができず
体外に排出されてしまいます
@大きな違い
ビタミンが
炭素 水素 酸素などからできている
有機物であるのに対し
ミネラルは無機物である点です
また ビタミンと異なり
ミネラルは骨などの
体の構成成分になるものがあります
つまり ミネラルには
*体の構成成分になる
*代謝などの生体機能を調節する
というふたつの働きがあります
<摂取>
ほとんどのミネラルは
成長や生命活動に欠くことのできない
必須ミネラルなので
食事から直接摂取する必要があります
摂取で大切なのは 毎日の食事内容ですが
インスタント食品などが多く
ミネラル不足になりがちな現代では
より注意が必要です
@厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
によると 1日の推奨摂取量は
*主要ミネラルのカルシウムなら
成人男性で650〜800mp 成人女性で650mp
*一方 微量ミネラルの鉄は
成人男性で7.0〜7.5mp
成人女性で6.0(月経なし)〜10.5(月経あり)mp
と 主要ミネラルの1/100程度です
こんな微量ミネラルですが
それぞれ働きが異なり
体の機能を正常に働かせるのに
しっかり貢献しているのです
<欠乏症>
現代社会の食生活では
三大栄養素が過剰摂取される一方
一部のビタミンとミネラル全般が不足しがちで
現代型栄養失調とも指摘されます
食生活の西洋化や
ファーストフード インスタント食品 加工食品が
増えたことはもちろん
ハウス栽培・養殖などされた食材自体に
ビタミンやミネラルが少なくなっているため
バランスのとれた栄養摂取が困難といっても
過言ではありません
こうした現代型栄養失調が
がん・糖尿病・アトピー・ストレス性疾患などの
生活習慣病生をまねく
大きな要因であるという意見もあります
しかし実際は
鉄や亜鉛以外の欠乏症は
極めてまれと報告されています
<過剰症>
ミネラルは ビタミンと同様
摂り過ぎによる弊害がみられる場合があります
このため
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では
この量までなら摂取しても過剰の害のない耐容量として
耐容上限量を設定しています
よく問題になるのは
健康食品やサプリメントの過剰摂取による
ミネラルやビタミンの過剰症です
サプリなどを摂る場合は
耐容上限量を越えないように
摂取量に充分に注意してください
高橋医院