ミネラルの働き
中央区・内科・高橋医院の
健康のための栄養学に関する情報
ミネラルは
体内で下図に示すような
多種多様な働きをしています
このうちの代表的な働きについて説明します
<体の構成成分になる>
@骨や歯などの硬組織を形成する
カルシウム リン マグネシウム など
@ヘム鉄 リン脂質といった
赤血球や細胞膜などを構成する
有機化合物の構成因子になる
@さまざまな酵素の構成成分になる
<補酵素として 代謝反応を円滑に進ませる>
ミネラルは
生体内で日々営まれている重要な代謝活動を
サポートします
@化学反応を進行させるのは 酵素
*代謝反応は
体外から取り入れた食物を分解し
吸収された栄養素を
身体に必要な物質に再合成する
重要な化学反応です
*代謝反応では
酵素が反応の効率を上げます
*栄養素の代謝だけでなく
DNAの複製・タンパク質の合成などにおいても
多くの酵素が重要な役割を担っています
@ミネラルは補酵素として
酵素の働きをサポートする
*酵素の働きをサポートして
化学反応を円滑に進める役割を担っているのが
ミネラルやビタミンなどの補酵素です
*ミネラルは
ビタミンと力を合わせて
酵素の働きを活性化します
*ミネラルが不足すると
代謝反応が滞り
体の機能を充分に発揮できない状態になります
*たとえば 食物の消化の過程で働く
プロテアーゼ アミラーゼなどの消化酵素の
補酵素・補因子として
ミネラルの鉄 銅 モリブデンなどが働いています
<体内の水分・細胞外液量の調整 浸透圧の維持・調整 pHの調整>
@浸透圧の維持
ナトリウムなどは
浸透圧の維持により
細胞内液と外液の
量的・質的なバランスを調整します
(浸透圧についてはあとで詳しく説明します)
@酸・塩基平衡 pHの調整
さまざまな生命活動は
pH7.3ほどの弱アルカリ性の状態で
円滑に機能しますから
体を酸性に傾ける物質が入ったときには
ミネラルがpHを調整する働きをします
<筋肉の収縮・弛緩 神経の興奮伝達>
カルシウムなどは
筋肉の収縮や
神経の興奮伝達に関ります
<抗酸化作用>
ミネラルそのものが
細胞に有害な活性酸素を
直接消去することはありませんが
銅 亜鉛 マンガン セレンは
SODなどの抗酸化酵素の構成成分となり
抗酸化作用に関わっています
*SODの構成成分
:銅 亜鉛 マンガン
*グルタチオンペルオキシダーゼの構成成分
:セレン
このように
ミネラルは体内で
さまざまな重要な働きをしていますが
互いが複雑に作用しあい
それぞれの吸収 利用 蓄積に影響を与えるので
日々の食生活でのミネラル摂取に
偏りが生じないように
バランスの良い食事内容に
気をつけることが大切です
高橋医院