サプリメントは必要か?
中央区・内科・高橋医院の
健康のための栄養学に関する情報
ビタミン ミネラルの解説をしてきました
それぞれが
栄養素の代謝をはじめとする
さまざまな体内の重要な機能に
深く関わっていることを
ご理解いただけたと思います
ところで読み手の皆さん方が
ビタミン ミネラルと聞いて
まず思い浮かべるのは
サプリメント ではないでしょうか?
ビタミン ミネラルの話題の最後に
このサプリメントについて
お話ししたいと思います
世間では
実に多種多様なビタミンやミネラルのサプリが
出回っています
テレビ 新聞 インターネットなどでの
サプリの広告は多く
人気があるので
身近な人との間で情報交換が行われることも多く
ネットや通販などで容易に入手できます
さらに
世の中には根強い“サプリメント信仰”のようなものがあり
大きな支持が得られています
世界でも
イギリス人の35% アメリカ人の50%は
サプリメントを日常的に摂取していると
報告されています
<日本におけるサプリメント利用の状況>
日本でのサプリメントの利用状況はというと
愛好者は年々増加していて
最近では約40~60%の人が
サプリを利用しているそうです
また
以前にサプリを利用したことがある人は
約80%に達します
サプリの愛好家は
加齢とともに増加し
男性より女性の方が多いようです
複数の種類のサプリを同時に摂っている人も多く
51.7%が2種類以上使っていて
5種類以上使っている人も8.2%もいるそうです
さらに 大人だけでなく子供の使用者も多く
子供の身体の成長や脳の発達のため
約8〜10%程度の親が
特にビタミンやミネラルのサプリを
子供に与えているとのこと
サプリを使用する目的としては
健康の維持・増進や病気の予防
食事で不足している栄養素の補給や強化
疲労回復
美容やダイエット
など 性別や年齢により目的はさまざまなようですが
加工食品を食べることが多く
生野菜や果物を食べることが少ない
そんな現代の食生活の欠点を補うために
ビタミンやミネラルのサプリを利用する人も多く
なかには野菜サラダ代わりに
サプリを飲んでいる人もいるとか
<サプリは本当に効果があるのか?>
世間に出回っているサプリの広告では
心臓病や老化が防げるとか
がんの発症を抑制できるとか
色々な効果が喧伝されています
しかし 実際のところ
その効果は不明なのです
サプリの服用が普通の食事より
健康によいことを証明した科学的根拠は
十分にあるわけではありません
抗酸化作用を有する
ビタミン ミネラルである
カロチン ビタミンE セレニウムなどのサプリは
動脈硬化の予防などに
効果があると言われてきましたが
最近の研究で
心臓疾患への効果は全くないことが
明らかになりました
そればかりか
ビタミンEを過剰摂取すると
出血性脳卒中の発症率が高くなり
喫煙者がカロチンを過剰摂取すると
肺がんの発症率が高くなることが
報告されています
また
マルチビタミンのサプリも
死亡率 慢性疾患の罹患率を下げる効果は
全くないことが
明らかにされています
サプリメント信仰者には
気に入らないデータかもしれませんが
実は世間で言われているほど
ビタミンやミネラルのサプリの効果は
芳しくないようです
むしろ最近では
サプリ使用のリスクすら喚起されています
次回に詳しく説明します
高橋医院