コンサートを 観に行きました

と書くと

書き手のことだから 
若い女性のミュージシャンのコンサートに
鼻の下を伸ばして行ってきたに違いない

と思われるかもしれませんが 
そうではないのですよ(笑)

師走が近づいたサントリーホールは 
既にクリスマスの装い

クリスマスの装いのサントリーホール

今年で30周年のサントリーホール

ここが出来た当初は 
まだ初々しい学生で
当時は時間を見つけて
何度も訪れていたという糖尿病専門医さんは
もう30周年か、、と 感慨深げです

で 今宵の出演は

マリス・ヤンソンス率いる 
バイエルン放送交響楽団

バイエルン放送交響楽団のコンサートのプログラム

さすがにドイツを代表するオーケストラだけあって
ロビーでは日本語と同じくらいの頻度で 
ドイツ語が聞こえます

でも 書き手は別に 
ヤンソンスさんのファンでもないし
バイエルン地方の白ビールは大好きですが(苦笑)
バイエルン放送交響楽団がご贔屓
というわけでもありません

今宵のお目当ては
5回行われた同楽団の今回のツアーのコンサートで 
たった1回
しかも たった1曲の協奏曲のためにだけ来日した

ヴァイオリニストの ギル・シャハム!

ギル・シャハム

糖尿病専門医さんが
どこかで彼が来日することを知って教えてくれたので
すぐにチケットを予約しました

だって ギル・シャハム 
凄かったのだもの、、、

去年の夏休みの旅先のコンサート
たまたま初めて彼の演奏に遭遇したのですが

いやー ホント 
久々に感動しましたよ

で もう一度 
あの感動を味わいたいと思い

正直言って馴染みがなかった
バイエルン放送交響楽団のコンサートに
駆け付けた次第です

2階の中央やや左寄りの席だったので
彼の表情や仕草をバッチリと観察しようと思い
しっかりとオペラグラスを持参しました

冒頭で「コンサートを観に行きました」と書いたのは 
そういうわけです(笑)

でも ひとつ 
危惧していることもありました

それは 
前回のプログラムが現代風の作品だったため
メロデイが馴染みやすく 
余計に感動したのかもしれない

今回の
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲二短調Op.61という
正統派の楽曲でも 
同じような感動を味わうことができるのだろうか?

書き手は
ベートーヴェンがそれほど好き
というわけではありませんから(苦笑)

でも そんな不安は 
見事に吹っ飛びましたよ

約1年ぶりに観て聴く(笑) 
ギル・シャハム

楽しそうに演奏するギル・シャハム

柔和で優しそうで 
感情がほとばしるかのような表情は
舞台に登場してすぐに 
彼の世界を作り出し
観る者を惹きつけてしまいますし

柔和な表情のギル・シャハム

体全体で曲の世界を表現するかのような
演奏時の立ち振る舞いと
ヴァイオリンが奏でる美しい音色は
あっという間に 
聴く者を虜にしてしまいます

恍惚と弾くギル・シャハム

でも 今回は 
せっかくオペラグラスを持参したし
彼が演奏する姿を
ちょうど良い角度で
上から見ることができる席だったので

まさにずっと 
コンサートを聴いて 
そして 観ていました


いやー 
指が弦に吸い付いて 
まるで独立した生き物のように
ヴァイオリンと絡み合っていて

真剣な表情で演奏するギル・シャハム

そして 本当に楽しそうな表情で 
演奏しているのですよ

トランスしているかのような雰囲気すら
感じます

楽しそうな表情で指揮者を見る演奏中のギル・シャハム

そんな彼を 
聴きながら 観ながら
書き手は思わず 
前のめりになってしまいます(笑)

プログラムで 
ギルさんのインタビュー記事を読みましたが

彼は ベートーヴェンはこの曲は 
ヴァイオリン協奏曲の世界を大改革した
と語っています

それまでの協奏曲に比べて
音楽に込められた感情が
はるかに広いもので

流暢でいながら 
斬新さが隅々にまで行き届いていて 
抽象的であり
なおかつモダンで 
ひとつのユニークな物語を完全に語っている

この物語を 
どうやって聴衆の皆さんに
オーケストラと一緒に
伝えることができるか楽しみです

はい 充分に 
彼が表現する物語の世界を
堪能させていただきました

インタビューを受けるギル・シャハム

彼はこんなことも語っています

音楽の偉大な傑作は
まるで彫刻のように 
無数の角度から吟味することができ
そのひとつひとつに
インスピレーションを見出すことができる

音楽は一生で聴くには多すぎ 
一生は音楽をするには短すぎる

ラフマニノフが語ったこの言葉を 
ギルさんは日々噛みしめているそうです

なんだか 羨ましいです、、、

来年には再来日して 
江口玲さんのピアノとの室内楽を企画されているとか

うーん チケットの発売は 
いったいいつなのでしょう?
早く情報を集めないと!(笑)


高橋医院