現代音楽と緊張感
NHK・eテレで放送していた 弦楽四重奏の特集番組 最初に登場した アルデッテイ・カルテットは 再びインタビューで なぜ そこまで現代音楽に固執するか と問われると リーダーのアルディッテイさんは ピュアでシンプルだから と まさにシンプルに答えます フォローするように チェロのルーカスさんがこう語ります 弦楽四重奏は 基本的には伝統的で古典的なものだが 20世紀後半からの作曲家は 新たな未知の表現を求めるようになり 彼等が作る弦楽四重奏曲では 演奏家と聴衆の間に 独特の緊張感を生み出されるようになった なるほど 書き手が聴きながら感じていた 姿勢を正さなければというニュアンスは まさにその緊張感だったのですね 納得です!(笑) 確かに現代音楽作曲家は 作品に深みを出したがるが故に 曲が難解になりがちだけれど 現代音楽は特別なものではないし 我々が生きている時代の一部なのだから もっと興味を持たれていいのではないかな? と ルーカスさんはまとめていましたが うーん 確かに 現代音楽は ちょっと近寄りがたいというか 馴染みにくいところもあります(苦笑) 書き手も 若い頃は嫌いではなかったのですけれどね(再苦笑) その“緊張感”は 確かに惹きこまれる部分ではあるのですが ちょっと しんどい気がしないでもないのが 正直なところで(再々苦笑) 彼等は最後に 日本人の細川俊男さんが作曲された 沈黙の花を演奏しました 間のとり方や音色が まさに日本的で まるで雅楽を聞いているような気すらしましたが 彼等は この曲は間違いなく 日本の伝統音楽の影響を受けていると感じ こうした曲を西洋の弦楽四重奏が演奏するのは 異なる文化の重なり合いを 具現していることにほかならず 独特の緊張感が生まれて面白い と語っていました うーん やっぱり 緊張感なのですね、、、 2時間にわたった番組の後半には エマーソン・カルテットが登場し 伝統的で古典的な弦楽四重奏曲が演奏されました ハイドンが基礎を作った弦楽四重奏曲に 歌を加えたとされる モーツアルトの弦楽四重奏曲15番 祈りを加えたとされる ベートーベンの弦楽四重奏曲11番 はやり 安心して聴けるというか 穏やかな気持ちになります 緊張感は 感じないけど(笑) アルゲッテイと比べて エマーソンの4人組は 演奏しているときの 目線を交わしてのコミュニュケーションが より頻繁でしかも柔和な感じがしました それに 作曲家が曲を作った時に抱いていたであろう感情も 喜怒哀楽が容易に想像できて わかりやすいように思いました 現代音楽では 聴きながら作曲家が何を訴えたいのか 必死に探らなければならないのと まさに好対照です(笑) 同じ弦楽四重奏の形式をとりながら 前衛的な現代音楽を得意とする アルデッテイ・カルテット 伝統的な古典音楽を奏でる エマーソン・カルテット 対照的なふたつのグループの 演奏の聴き比べは とても面白かったのですが うーん 現代音楽 もう少し勉強しようか 聴き込んでみようか 正直 迷うところですね(笑) で ふたつのグループが演奏する姿や インタビューでの受け答えを見ていて ちょっと気になったのですが 弦楽四重奏におけるチェロの役割って どんな位置付け 役割なのかな? 興味があります!
高橋医院