トッドさんは
お得意のグローバリゼーション批判をしたあと
未来の社会の形を展望します


<グローバリゼーションに代わる経済や社会の在り方は?>

パンデミック下では
国内への回避政策が起こり 国家の役割が見直されている

国家の役割が見直されていると語るトッドさん

こうした流れで重要なのは 国家間の協調である

国家間の協調の重要性を指摘するトッドさん

問題は
グローバリゼーションが限界だとわかっているのに
それを克服して抜け出す方法が
誰にもわかっていないことだ

抜け出す方法が誰にもわかっていないことを指摘するトッドさん

グローバリゼーションにより
世界経済は複雑に絡み合い
生産活動は地球規模で広がり
多くの国がこのシステムにより利益を得ている
という現実がある

グローバリゼーションに対抗する保護主義は
貿易における国家の役割を強めるが
それは鎖国ではない

また 国家への回帰は外国への敵意につながるとみられがちだが
それは違う
逆に他国との交流が進むようになる

これが 保護主義のパラドックスだ

保護主義のパラドックスについて語るトッドさん

保護主義政策の施行により
国内の労働者の賃金 購買力が上がり
各国の得意分野の産業が成長するので 貿易はむしろ盛んになり
その結果 他国との交流はむしろ進むようになる

自国内で 産業と雇用が維持されるので
公正な利益の分配が起こるようになり 
国内の格差も是正される

このように
保護主義は国家間の敵意や衝突につながるものではない

保護主義は国家間の敵意や衝突につながるものではないと指摘するトッドさん

但し 排他的ナショナリズムが先に立ち
保護主義政策が行われることもあるので要注意だ

だから 各国のリーダーたちは賢明さを身につけて
協調的な保護主義を実現させて行かなければならない
政治家が歴史から学べるかどうかがポイントである

トッドさんは以前にも
昨今の保護主義の台頭を嘆く人に
保護主義のどこがいけないのだ?と論戦を挑んでいましたね


<現実にある格差と分断を乗り越えられるか?>

社会に対立があることは それ自体は悪いことではない

社会に対立があることは悪いことではないと語るトッドさん

フランスでは
カトリック文化と無宗教文化の対立が起こり
その結果 フランス革命が生まれ
多様な価値を認める社会になることができた

コロナ危機にどう立ち向かうかは
階層化した今の社会にとっては試練と言える

コロナ危機にどう立ち向かうのは試練だと指摘するトッドさん

被害が大きいのは貧困層だけれど
社会全体がひとつになって立ち向かわないとダメで
そのためには 新しい生活スタイル 経済の在り方が必要となる

格差は 問題を顕在化させ 議論を呼び起こす
そういう意味で 格差は変革の原動力になる

格差は変革の原動力になると指摘するトッドさん

逆に 均質で安定した社会では そうしたチャンスは得られない
日本の社会はあまりに秩序正しいので
それが逆にデメリットになり 変化する力を生み出せなくなる

紛争や無秩序も 社会の一部なのである

紛争や無秩序も社会の一部であると指摘するトッドさん


おー さすがにフランス革命を起こした国の人の意見には
妙な説得力があります!(笑)
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