これまで
肥満 糖尿病 脂肪性肝炎(NASH)
などの病態の説明で
しばしば「慢性炎症」という言葉が
使われてきました

慢性炎症?

炎症あるいは急性炎症という言葉は
よく聞くことでしょうが

慢性炎症なんて
あまり聞いたことがないと思います

書き手も医学生の頃
急性炎症の勉強はしましたが
慢性炎症なんて
どこの教科書にも
全く書いてありませんでした

でも いまや慢性炎症は

*さまざまな生活習慣病がんアルツハイマー病 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
老化

といった
ありとあらゆる病気に
関わっていると考えられています

慢性炎症により生活習慣病が誘導されることを示す図

まさにトレンドと
言っていいかもしれません

慢性炎症とさまざまな病気の関連を示す図

慢性炎症がなぜ起こるか?

慢性炎症が進むとどうなるか?

そうしたことを理解していないと
なぜ病気が発症するのか?
どうやって治療すればいいのか?

健康や病気に関する
さまざまな最新の情報を
理解することができないといっても
過言ではないかもしれません

慢性炎症により生活習慣病が誘導されることを示す図2

たとえば
肥満をベースにした生活習慣病は
脂肪組織で生じている
慢性炎症によって
その発症や進展が形成されています

どうして肥満になると
脂肪組織で
だらだらと持続して
炎症が起こるのでしょう?

脂肪組織で慢性炎症が起こると
なぜ糖尿病や生活習慣病が
発症・進展するのでしょう?

肥満 糖尿病と慢性炎症の関連を示す図
生活習慣病の成れの果てである
動脈硬化でも
動脈の血管壁の内部で
慢性炎症が起こっています

どうして血管壁で
炎症が持続するのでしょう?

どうして炎症が持続すると
血管が硬くなってしまうのでしょう?

動脈硬化と慢性炎症の関連を示す図

喘息慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの
呼吸器の病気でも
肺のなかで慢性炎症が生じることで
発症・進展します


興味深いことに
アルツハイマー型認知症といった
脳の病気も
脳のなかで慢性炎症が生じることで
発症・進展することが明らかにされています


こうした病気以外にも

アトピー性皮膚炎 乾癬などの皮膚病
肝炎 肝硬変
関節リウマチ
うつ病
多発性硬化症という神経の難病

*最近患者さんの数が増えている
 クローン病 潰瘍性大腸炎などの
 炎症性腸疾患

などの発症・進展に 
慢性炎症が関与しています


さらに
どんな人でも避けて通れない
老化現象にも
慢性炎症が関与しています

老化と慢性炎症の関連を示す図
老化細胞が出す因子と慢性炎症の関連を示す図

ということで
今の世の中で多くの人が悩んでいる病気の
発症・進展を理解するには
慢性炎症について知ることが
必須になりつつあります

そして
慢性炎症が 
脳 肺 肝臓 膵臓 動脈硬化にいたるまで
さまざまな臓器で起こる病気の発症・進展に
関与しているということは

慢性炎症が生じる 
なんらかの共通のメカニズムが
存在しているということです

それは 
どんなメカニズムなのでしょう?


今日からしばらく
慢性炎症について解説していきます




高橋医院