前回ご紹介したように
経済格差は健康格差を招く大きな要因ですが
それ以外にも改善すべき
重要なポイントがあります

健康格差をなくすための三大戦略は

*所得格差の是正

*幼児期からの早期の教育

*職の安定

だと カワチ先生は言われます

<幼児期の教育>

幼児期の我慢強さは
成長後の 誘惑に負けず自己抑制する能力と
関連があり

幼児期の教育により
自己管理能力 自己抑制能力が養成される
と考えられています

学習する子供達

誘惑に負けない力は
健康的な生活を送るうえでとても重要で
たばこ ドラッグなどの健康を害するものに
手を出さずにすみますが

幼児期の我慢強さで
将来の肥満のリスクが予測でき

我慢強い子は
大人になって喫煙率が低くなりますし
往々にして高収入も得られるそうです

そして 
教育への投資は 非常に利回りが良い

大人になってから同じ取り組みをするより
はるかに低コストで目標が達成できます

鉄は熱いうちに打ち
我慢強い子に育てることが重要です


<仕事 労働>

この30年で 男女ともに
職業により死亡率が異なり
その差は大きくなっているそうです

日本では
管理職 専門職 サービス業の男性の健康状態が
悪化しています

職種別の健康状態の差異を示すグラフ

1990年代後半から2000年にかけて
死亡率が70%も増えていて
自殺率も増えている

他の業種では 
こうした傾向はみられないそうで

1995年頃から
管理職 専門職のストレスが増えたことが
影響している可能性があると考えられています

管理職 専門職の健康状態の悪化を示すグラフ


一方 度々言及された 非正規雇用者の問題

賃金の低い仕事 ストレスの高い仕事は
健康の低下につながることが 
明らかにされています

また
仕事の質の低さ
流れ作業
自分の仕事に意味がないと感じること
などが ストレスを増やし健康を害します

ストレスが健康を害することを示す図

興味深いのが 女性のストレスの特異性で

女性は男性と異なり
社会でなく家庭
特に家庭での裁量権がないことにストレスを感じるそうで
家事の時間を減らすより

男性が女性と同じくらい家事を分担している
と感じることで
ストレスが減るそうです

世の殿方には 耳が痛いでしょうが
大いに参考にすべき指摘かもしれませんね!


<人間関係>

アメリカでは
未婚 家族がいない 教会に通っていないといった
人との繋がりが薄い人は
死亡リスクが2倍以上になるそうです!

人との繋がりは 
思っている以上に重要なようです

人と交わるだけで健康になることは
引きこもりになりがちな高齢者にとってとても重要な点で
運動などの特別なことをしなくても
認知機能が保たれ 体の機能の衰えを防げると
されています

こうしたことから
前に紹介したソーシャルサポートの重要性が
再認識されます

ソーシャルサポートと健康の関連を示すグラフ

人とのつながりから生まれるさまざま支援が
健康に影響を与えていて

もの 情報 感情的なサポートといった
個人同士のやりとりが基になります

人とのつながりにより得られるソーシャルキャピタルは
地域全体や自分の財産になり

人が集合したときの力は
個人の力を足したもの以上になるようです


また 人とのつながりは
行動様式にも大きな影響を及ぼすことが
明らかにされています

付き合う人 所属するグループで
知らぬ間に行動が影響され 
健康に大きな影響を及ぼすのです

食べる野菜の量は
結婚すると増え 
離婚・死別で減り

飲酒は
男性は離婚で増え 
女性は結婚で増えます

肥満な人たちの集まり

また 以前に紹介しました
肥満な人の友達は肥満になり
喫煙 飲酒 うつなども影響されます
高橋医院