AIは資本主義を変えるか?
人から仕事を奪うAIロボット社会は 資本主義そのものの在り方を 変えるのでしょうか? <AI技術革新社会では 賃金が増えない> 現在進行形で進んでいる 第4次産業革命と呼ばれるAI技術革新が 過去の技術革新と大きく異なる点は これまでの技術革新では 新たな雇用を生み出され 労働生産性 賃金ともに上昇したのに対し そうしたことを望めない可能性が 大きいことです 事実 2000年頃にインターネットが 普及し始めてから 労働者の賃金が減り始めているそうです AIによる第4次産業革命では 雇用が減り 賃金が伸びず 経済格差がより著明になる <資本主義の大ピンチ?> こうした事態は 資本主義の存在意義が根底から揺さぶられる 大ピンチです それでなくても現行の経済状態では 国が富の再分配を行えず 賃金が下がり人々は物を買わなくなり 経済が発展しなくなっているのに AI化がその傾向に拍車をかければ 資本主義の生命線とも言える お金の循環が滞ってしまう 一方 国よりグローバル企業が強い力を持ち 今度はAIを牛耳るパワーが さらに世界を席巻するかもしれない そんな時代を前にして 資本家と労働者はどうすればいいか? ゲストとして出演していた ソフトバンクの孫さんは 「資本家 労働者を問わず 全ての人が前向きに考えるべきだ」 と語りますが 一方 国立情報学研究所の新井さんは 資本家が労働者に 「新たな時代への対応は気持ちの問題」 と言うのは無責任だと苦言を呈します もっと具体的な対策を示さないと 賃金が減る労働者は消費をしなくなり お金の循環サイクルが途絶えて 資本主義のシステムが危機を迎えてしまう <ベーシックインカム> そこで登場するのが これもお馴染み感が出てきた ベーシックインカム カナダ オンタリオ州で行われた ベーシックインカムの実験では 参加者に毎月10万円が3年間支払われました 参加者はもちろん大歓迎で 人生のシフトチェンジができる 経済の心配をせずに好きな仕事をして生活できる とメリットを語りましたが 残念なことに州政府の政権が変わり 財源維持できなくなって 実験は中止されたそうです ベーシックインカムには もちろんさまざまな批判もあります 怠惰な人が増える可能性があるのではないか? ただ この点については 以前の番組でも紹介されていましたが 1970年代のアメリカでニクソンが行った ベーシックインカムの社会実験では 社会保障費は下がり 犯罪は減少し 子どもの成績は上がり 人々は労働を止めなかったそうで ベーシックインカムは 危惧されていた社会的混乱も引き起こさず 健全に機能していたとの指摘もあります むしろ ベーシックインカムについては その財源をどう確保するかが 一番の問題点で 新時代への対応策として ベーシックインカムは必要と考える人は少なくないが 財源をどうするかを考えると 非現実的に見えてしまうようです 儲けた企業からの法人税に ベーシックインカムの財源を求めたい という意見もありますが 法人税を高くすると 安い国に企業が逃げてしまうという現実もあります EUでは ロボット税の導入を試みていて AIロボットを使って利益を得た企業から 税をとろうとする動きもあるようですが そうした税はテクノロジーの進化に 足かせをかけてしまわないか?と 懸念を露わにする企業家も少なくないとか また ベーシックインカムのコンセプトそのものが 「責任回避的なもの」で 大部分の人はそんなものを望んではいない という意見もあるようです ポスト資本主義システム的なことが議論されるとき ベーシックインカムは シェアリングエコノミーなどと並んで 必ず登場してくるコンセプトですが どうなのでしょう? 書き手は正直言って システムとしてそこまでしないといけないの? やるとなったら 財源はもちろんだけど エンドポイントはどうするの? ずっと恒久的に施行するつもりなの? などと疑問を持ってしまいます AIに職を奪われることが問題なら 新たな職場を造りだしたり 公費での職業訓練を充実させたり 他にもっと考えられる対策がある気がします 再度 どうなのでしょう?
高橋医院