番組では最後に 
AI時代の別のもっと大きな脅威が語られます

AI時代には 
人々は気づかぬうちに搾取され
格差はさらに拡大し 
民主主義の根底が脅かされかねない

AI時代の最大の脅威は 
人々が雇用を奪われることではなく
巨大IT企業による一般消費者のデータの独占だ

彼等は 
ネットの検索結果 Eコマースでの購入履歴 
SNSでのやりとりなどから
日々収集され続ける膨大なデータを独占し
AIを使ってビッグデータ解析している

巨大IT企業の方が 
自分より自分のことを
よく理解している時代なのだ

彼等の目的は
消費者のデータを彼等が知らぬ間に収集して
その解析により彼等の消費行動を操り 
より大きな利益を得ることに尽きる

巨大IT企業の戦略を解説する図

こうして巨大IT企業は富を独占し 
経済格差は 
さらにどんどん拡大する

2018年9月 
アマゾンはアップルに続き
市場価値1兆ドル超えの企業になり
いまや両社を合わせた市場価値は
石油企業上位10社を合計した価値よりも
大きくなったそうです

アマゾン アップルの市場価値を示すグラフ

これほどの富が少数の人の手に握られていると
さまざまな形で格差が拡大し
民主主義に悪影響を及ぼすのは避けられない

既にご紹介した
GAFA 四騎士の時代 ですね!

GAFAを紹介するイラスト

では そんな状況にどう対処すればいいのか?

政府が規制を行うべきという意見が 
当然出てきます

独占禁止法 企業の不正行為防止法
労働者の知的財産権の厳格化 
といった法制度の整備を急ぎ

GAFAに対する法整備を説明する図
さらに 
私企業によるデータの独占という現実を鑑みて
企業が保存しているデータの管理 
他社が有するデータとの統合
データ利用の目的 取り扱いに対する透明性
といった点について
さらに一歩踏み込んで政府が厳しい規制を設けるべきだ
という意見です

利益に税金を課すだけでは不十分で 
根本的な解決にはならない
ということなのでしょう

このあたりについては 
ここ数年 EUが先駆的な動きを示しています

法人税の取り立てだけでなく
個人情報の取扱いについて法律を整備し
GAFAに対して厳しく迫ろうとしているように見えます

EUのGAFAに対する施策を説明する図

書き手はこうしたEUの動きを見て
おお さすがにヨーロッパ人には 
利にだけに走らない高潔さがあるな

アメリカの利益優先のGAFAに対し
理を通そうとしているのかな

などと単純に思っていましたが
(書き手には“ヨーロッパかぶれ”なところがあります:苦笑)

この話を金融関係の知人にしたら
ヨーロッパはGAFAの利益から外されているから
単純に妬んでやっているだけじゃないの?
と ご指摘を受け

確かにそうかなとも思いました(苦笑)

でも 
日々の生活の中で
GAFAに牛耳られている現状について
ちょっと立ち止まって考えてみることも
必要かもしれません 

GAFAによる個人情報収集について討論する市民の姿

このあたりについては
既に少しご紹介しました


番組の最後には
金融システムの再編の必要性も
言及されていました

経済と政策の枠組み全体を改めれば
これらの問題は回避することが可能で
ルールを変えれば 
いまより豊かで平等な社会を築くことができる

そんな希望的観測で番組は終わりましたが

再度 どうなのかな?(笑)

NHKさん 更なる続編を期待しています!
高橋医院