ハラリさんは 
パンデミックな社会での
個人の在り方について論じたあと

今度は世界の在り方について

「今こそ グローバルな結束が必要だ!」

と語ります

語るハラリさん

感染拡大も それにともなう経済危機も
グローバルな問題であることは間違いない


一方 感染が一気に拡大したのは
グローバル化の弊害だという指摘があるが
それは間違いで

拡散のスピードの差はあるだろうが
パンデミックは 
はるか昔から繰り返し出現していた


むしろグローバル化は
パンデミックとの闘いを助ける

今起きている問題を効果的に解決していくには
国を越えた協力以外に道はない

パンデミックへの現実的な対応は
隔絶でなく
協力 連帯と 情報共有であり

協力できることこそが人間の強みで
それがうまくできないと 
ウイルスに負けてしまう

感染が世界のどこの国で広まっても
その国だけの問題でなく
人類全体に対する脅威と理解すべきだ

ウイルスに打ち勝つには
世界中の国家間で信頼しあい
感染拡大状況やワクチン開発について
グローバルに情報共有して 
協力していこうという精神が必要

グローバルな情報共有を求める人々

各国間で 
ある国が得た情報を互いに共有すべきで
ロックダウンも グローバル化を反映して
他国の情報を共有し
参考にしながら進めるべきだ

各国は積極的に情報を公開し
他国と共有したり
謙虚に助言を求めたりしていくべきだし
提供されたデータや見解を信頼すべきだ

また 医療機器
特にウイルス検査キットと人工呼吸器の
生産とその配分については
グローバルに協力する必要がある

量産されている人工呼吸器

各国が自国で
各種の医療機器などを生産して抱え込むのではなく
世界全体で協力しあって取り組めば
命を救う機器の生産を加速し 
もっと公平に分配できる

このウイルスに対する戦いで
死活的に重要な生産ラインは
「全人類のためのもの」という認識が必要だ

感染者が少なく 
医療機器の在庫に余裕がある先進国は
いつか自分たちにそれらが必要になったときには
他国が助けてくれると信じて
医療機器を感染者が多い途上国に進んで送るべきだ


一定数の医療従事者を確保しておく取り組みも
検討してよいだろう

ウイルス感染の影響を比較的受けていない国は
最も深刻な打撃を受けている国に
医療スタッフを送り込めば
支援の手を差し伸べると同時に
スタッフが貴重な経験を得ることにもなる


エクアドル ペルー エジプト バングラデシュなど
発展途上の国々には 十分な国力はなく
感染が広まれば 社会も経済も完全に崩壊しかねない

だからこそ
グローバルなセーフティーネットが必要だ

グローバルなセーフティーネットの必要性を説くポスター


一つの国が崩壊すれば 誰もが苦境に陥る
混乱が生まれ 暴力や移民の波が起き
世界中が不安定になることを
世界の人々が共通して認識すべきだ

そして 経済面でも国を越えた協力が必須だ

経済とさまざまなサプライチェーンが
まさにグローバル化している今
各国政府が自国のことだけを考え
他国のことを全く考慮しないままに行動すれば
混乱とより深刻な危機を招くことになる

自国の利益に拘る政治家の姿

経済に関する
世界規模の行動計画の策定が急務だ


再々度 うーん です

パンデミックな社会では
各国が自国のことにだけ集中するあまり
国家主義的で排他的になる傾向が
あると危惧されます

実際 今の世界状況を見ていると
まさにそんな感じがするなかで

パンデミックな世界では
グローバルな結束こそ重要だ

とするハラリさんの論は
いちいち納得できるのですが
でも ひねくれたスタンスから見ると
実現性の乏しい理想論のようにも聞こえます

アタリが語っていた利他主義
通じるところがあるようにも思えます

どうなのでしょう?

今 こんな高邁なことを考えている政治家は
世界のどこかにいるのかな?
高橋医院