以前にも書きましたが

お芝居やコンサートは
演目によって客層が違うので
幕間のロビーの雰囲気がかなり異なります

マンウオッチングが趣味の書き手は 
いつもその違いを何気に楽しみますが

トマーナーのマタイ受難曲

ロビーを見まわしての第一印象は 
オヤジが多い!

その証拠に
いつもは幕間に女性用トイレに長い列ができますが
今回は男性用トイレの方に長い列ができていました!

こんな光景を見たのは初めてでした

その感想を同行者に話すと
「受難曲は 
 歳を重ねないと良さがわからないのではないの?」
と コメントされていましたが

書き手は
バッハのファンは
意外に高齢男性が多いような気がしています

どうなのかな?

で マタイ受難曲

今回のコンサートでは 
舞台の両脇に電光掲示板が設置され
そこに歌詞の和訳が表示されていたので
いつになく聴きながら
ストーリーを追っていくことができました

毎年クリスマスに行く
ヘンデルのメサイアは英語なので
なんとなくストーリーの展開がわかりますが

マタイ受難曲はドイツ語なので
字幕は本当に助かりました

舞台上のトマーナーたち

イエスを裏切ることになるユダと
イエスとのやりとり

民衆に問われたとき 
イエスを知らないと嘘をつくと予言される
ペテロとイエスとのやりとり

このあたりは書き手もよく知っているお話なので
違和感もなく
すんなりと曲の世界に入っていくことができます

で オーケストラの後方に並ぶ
トマーナーの坊やたちですが

合唱がないときは
意外にリラックスしているのですよ

トマーナーの坊やたち

日本の少年少女合唱団は
自分たちのパートではないときでも 
背筋をピンと伸ばした姿勢で
生真面目な面持ちで 
お行儀よくしているイメージなのですが

トマーナーくんたちは
猫背に前かがみになって座っていたり 
人によって姿勢もまちまちで

なかには隣の子と談笑している子もいたり
楽譜を持たずに隣の子の楽譜をのぞいて歌っていたりで
(自分の楽譜 ドイツに忘れてきたのかな? 笑)

まあ 個性的というか
意地悪な見方をすると規律がないというか(苦笑)
少なくとも 
日本の少年合唱団のイメージとはちょっと違う

書き手はナマで見たことはありませんが
ウイーン少年合唱団とか どうなのかな?

で 閑話休題で

オラトリオは結構好きなので
トマーナーくんたちの合唱は心地よく聴きましたが

特に第二部の
ピラトの裁判でイエスが裁かれるシーン
イエスを磔にしろと叫ぶ民衆の声が
コーラスで歌われる場面では
かなり引き込まれました

ピラトの裁判でイエスが裁かれるシーン

このシーンを聴くと いつも思うのですが

昨日までは
イエスのことを救世主と崇め奉っていた民衆が
手のひらを返したように
イエスを糾弾して罪に問う

これは とても示唆的というか
世の中の不条理を思い知らされるというか
なんとなく せつなくなりますね

ということで 
3時間に及ぶ長さのマタイ受難曲も 
無事に終了
(ちょっと3時間は長いかな)

トマーナーくんたちは 
万雷の拍手を浴びて
少しはにかんでいるようにも見えました

そういえば いつかテレビの特番で
トマーナーくんたちの 
日々の厳しい修練の模様を放映していました

9歳から18歳まで 
約100人の坊やたちが共同生活をしていて

通常の学校での勉学はもちろん
教会でのキリスト教の勉強に 
合唱の訓練と
かなりストイックな日々をおくっている様子が
描かれていました

教会の前で談笑するトマーナーくんたち

そんな情報を得ていたので
不謹慎な書き手は 
コンサートからの帰途で

「さて 東京でのコンサートも無事に終わったので 
 トマーナーくんたちは 
 これから打ち上げで秋葉原のメード喫茶かな?」

と 冗談を言いましたが

真面目なトマーナーファンの同行者に

「なに言ってるの! 
 真面目なあの子たちが
 そんなことするわけないでしょ!
 あなたとは違うのよ」

と 怒られてしまいました

うーん 
ホテルから抜け出して
アキバを楽しんだトマーナーくんは
ホントにいなかったのかな?(苦笑)


高橋医院