通奏低音
くるみ割り人形 イルミネーションハンティング ときて もうひとつ 我が家のクリスマス行事で欠かせないのが バッハ・コレギウム・ジャパンの ヘンデルのメサイア公演 なんと 今年で16回目だそうです 書き手は途中 1~2回欠席していますが 糖尿病専門医さんは 多分 皆勤ではないでしょうか? イエス・キリストの 降誕 受難 復活といった生涯を題材とした 主に預言書から歌詞をとった 独唱曲や合唱曲で構成されていて 途中休憩をはさんで約3時間 ゲストソリストと コレギウム・ジャパン・メンバーによる合唱と 管弦楽により キリストの生涯が 奏で 歌いあげられます 今年が30周年の サントリーホールのクリスマス・デコレーション 今年のステージの装飾は こんな感じでした そういえば このヘンデルのメサイアは アイルランドのダブリンで初演されましたが 今年の夏休みの旅行で その場所を見つけました 写真左側の建物で 今はお店になっているので 音楽ホールの雰囲気は ありませんでしたが 毎年聴いているメサイアが ここで初演されたのかと 感慨深く感じました さて さすがに毎年10回以上聞いていると 曲の構成は覚えていますし 途中で舟を漕ぐこともありません(苦笑) でも 宗教は文化だと思っている フトドキモノの書き手は 最初の頃に感じた強い印象は 薄れてきているのも事実でして(再苦笑) しかし 不謹慎な書き手は いつも隣で聴いている方に 呆れられてしまうのですが 音楽を聴くだけでなく 見て楽しむ技(?)も 持っています(再々苦笑) あ アルトのメンバーに 新しい若い女性が入ったな とか あのバスの人の 歌うときの体全体の感情移入の模様は凄いな とか そんな邪な楽しみ方をしている書き手にとって 今年の“見る”パートで印象的だったのは 中央やや右側の席だったので 視界の真正面に チェンバロ バス オルガン ファゴットの 演奏家たちを見られたことです クラシック音楽好きな方は この楽器の羅列で 書き手がどの方向に話を転がしていこうか お解りですね?(笑) はい バロック音楽を底で支える 通奏低音 です 糖尿病専門医さんに感化されるまで それほどバロック音楽が好きというわけでは なかった書き手が 通奏低音という4文字熟語(?)に 初めて遭遇したのは 音楽でなく 文芸評論や社会評論などの 文脈においてでした 物語や社会現象の背後 根底で まるで地鳴りのように 絶えず脈々と流れ続ける 根底をなす考え方や主張 評論で 通奏低音が用いられる場合 こうしたニュアンスで語られることが 多いと思います たとえば Brexitやトランプ大統領の出現に驚かされた今年 世界にはポピュリズムや保護主義の思想が 通奏低音のように流れている? 稚拙な凡例で申し訳ありませんが(苦笑) こんな使い方でしょうか? でも 通奏低音という言葉の このような使われ方は 音楽の専門家たちにとっては とても違和感があるようで そうした異論をよく見聞きします 管弦楽器の演奏家たちが 合唱の間に小休止している間も 常に休むことなく弓を弾きながら 通奏低音の世界を構成している そんなチェリストさんたちの姿を 視界の真ん中で見つめながら そうか~ これが通奏低音なのだなあ~ と 改めて実感していた書き手なのでした 長くなったので 次回に続きます あ 蛇足ですが 毎年楽しんでいるこのコンサートで ここ数年 気付いているのが 欧米人ゲストの減少傾向です 10年前くらいには ゲストの30%ほどが 日本在住と思われる欧米人で インターナショナルなクリスマスの雰囲気を 楽しめましたが ここ数年 ほとんど彼らの姿を見かけることがありません アジアにおける欧米人ビジネスマンのハブが 東京からシンガポールなど他の都市に 移ってしまったのでしょうか? ちょっと 気になっています、、、
高橋医院