厚労省は8/21に
2013年以来5年ぶりに 
風疹が流行していると警告を出しました

年度別 週数別の風疹患者数を示すグラフ

関東地方を中心に患者数は急増していて
今年の累積患者数は139人で 
すでに昨年1年間の93人を超えました

今年の風疹患者数の時間的推移を示すグラフ

特に 
7/23(上グラフの30週)から患者数が急増して
1月からの累積患者数の60%弱が 
この1か月間で発症しています

そして 
そのほとんどが千葉県と東京都で
発症しているのです

地域別の風疹患者数を示すグラフ

また 感染者の7割が男性で 
特に30~50歳の方が63%を占めています
(下のグラフの上段の 緑・紫色)

性別 年齢別の風疹患者数を示すグラフ

こうした現象が見られるのには 
理由があります

年齢や男女の違いにより 
風疹ワクチンの定期接種の状況が異なり
風疹の罹りやすさが異なるのです

生年月日による風疹ワクチンの定期接種歴について示した表

平成2年4月1日以降に生まれた方は
男女ともに
風疹の予防接種を2回受けていますから
基本的に風疹にかかるリスクはありません

しかし
昭和54年4月1日から平成2年4月1日までに
生まれた方は
男女とも1回しか予防接種を受けていないので
風疹にかかるリスクがあります

また
昭和54年4月1日以前に生まれた方は

男性は 
一度も予防接種を受けていないので 
感染リスクが大きい

女性は 
昭和37年4月1日までに生まれた方は
中学生の時に1回だけ予防接種を受けていますが
それ以前に生まれた方は 
一度も予防接種を受けていないので
いずれも感染リスクが大きい

ということで

平成2年4月1日以前に生まれた方
特に昭和54年4月1日以前に生まれた方

そのなかでも男性感染リスクがとても大きいので 
ワクチン接種が勧められています

以前に解説しましたが
大人になって風疹にかかると
重症化する傾向がありますし

妊婦さんが妊娠の初期に風疹に罹ると
赤ちゃんに奇形が生じるリスクが
とても高いのが問題です

先天風疹症候群のリスクを喚起するポスター

ですから 
家庭や周囲に妊婦さんがおられる場合

特に感染リスクが高い中高年の男性は
自分が風疹に感染して 
周囲の妊婦さんにうつすことがないように
是非 ワクチンを接種するようにしてください

奥さんへの感染防止のために風疹ワクチン接種を受ける男性

既に当院にも 
奥様が妊娠されている男性で
心配で風疹抗体価を調べに来られた方が
おられます

風疹ウイルスに対する抗体を有しているか
(免疫を持っているか)どうかは
血液検査で4日ほどでわかりますので
心配な方はご相談ください



高橋医院