113年間待っていた夜
今年3月17日
アイルランドの首都ダブリンのパブでは
国民のお酒のギネスの在庫が
無くなったと思われます
だってその晩
アイルランドは
ラグビーの北半球王座を決定する
シックス・ネイションズで
イングランドを破って
見事に栄冠を勝ち取ったのだから
そして8か月後の11月17日
再びダブリンのパブでは
ギネスが無くなったのでは
ないでしょうか?
だって 今度はなんと
113年も待っていた夜が来たのだよ!
オールブラックスのヨーロッパツアー
先週のイングランド戦に続いて
アイルランドのホーム・ダブリンで
北半球1位のアイルランド
対
南半球1位のオールブラックスの
いわば今年の世界一を決める試合が
行われました
勝利したのは なんと アイルランド!
地元スポーツ紙は大騒ぎです!
だって
ダブリンでアイルランドがオールブラックスと
最初に戦ったのは
今を去ること113年前
それ以来16戦していますが
1回引き分けただけで
あとはずっと負けでした
新聞のヘッドラインに
Historical の文字が踊るものうなずけます!
先週1点差でイングランドをくだし
意気揚々のオールブラックス
ホームに迎え撃つアイルランド
どちらの方がイケメンが多いかな?(笑)
読み手の皆さんは
アイルランドの大統領を
見られたことはありますか?
書き手はシックス・ネイションズ以来2回目です(笑)
さて 試合は最初から緊迫した攻防となり
アイルランドのフォワードが
スクラムやモールで予想外の強さを見せ
あわやトライを奪いそうになります
特筆すべきが
モールやラックでのアイルランドの強さ!
巨漢レタリックも仰向けに押し倒される勢い
オールブラックスが持ち込んだボールに
しっかりと絡みついて
鉄壁の防御を見せ
逆に相手の反則を誘います
Discipline デイシプリン
ラグビーの世界ではよく使われる言葉ですが
困難な状況でも規律を守って
決して反則を犯さないこと
この夜のアイルランドには
デイシプリンがあり
オールブラックスにはそれがなく
オフサイドの反則を繰り返していた
試合後の色々なスポーツ紙の解説では
このデイシプリンのことが
一番に取り上げられていました
前半はお互い
PGやドロップゴールだけで9-6のロースコア
そして後半
攻め込んだアイルランドは
ゴール前でオールブラックスの背後に
小さなパントを上げます
それがウイングの胸におさまり
そのままトライ!
バレットやマッケンジー(仰向け)の
必死のタックルも
実りませんでした
そしてオールブラックスを
ノートライに抑え
16-9で会心の勝利
オールブラックスが
ノートライで負けたのは
2000年代になって初めてとか?
歴史的な瞬間を演出した選手も
幸運にもその時に遭遇したサポーターも
大喜び!
スタンドのすさまじい喜びや熱気が
伝わってくるようです
ちなみに
この夜のダブリンは気温7℃だったそうで
湯気が立っていたのではないかな?(笑)
オールブラックスは
惜しいハンドリングミスや
アンラッキーなボールの動きもありましたが
でも
スタッツ(プレイの統計)を見たら
内容的にもオールブラックスの完敗は
明らかですね
充実した表情で引き上げるアイルランド
対照的にうなだれて
意気消沈のオールブラックス
こんな表情のオールブラックスを見るのは
久しぶりです
試合後のロッカールームは
まるでお通夜のようだったとか
マッケンジーも今日は見せ場を作れず
頭を負傷したのか後半途中で
交代してしまいました
でも スポーツ紙の評価は
オールブラックスのなかではいちばん高かった
試合前にはにこやかに懇談していた
オールブラックスのハンセンコーチと
アイルランドのシュミットコーチ
実は二人ともニュージーランド人で
シュミットさんは近い将来
ハンセンさんの跡を継いで
オールブラックスを率いるのでは?
と噂されています
試合後の記者会見でシュミットさんは
今日の試合には勝てたけれど
まだ世界一のチームはオールブラックスだと
謙遜していましたが
嬉しそうだったな!(笑)
一方のハンセンさんは
さすがに苦虫を噛みつぶす表情で
アイルランドこそ世界一のチームにふさわしいと
相手を讃えながら
今日のオールブラックスは
ボールを動かすことができず
自分たちのやりたいことが
全くできなかったが
それはひとえにアイルランドが
密集でのボールの奪い合いに勝っていたから
と敗因を分析していました
確かに
オールブラックス自慢のバックスが走る場面が
ほとんど見られませんでした
そして ああした状況を打開できなかったとして
スポーツ紙では
スタンドオフのバレットが
珍しく低い評価を受けていました
来年のワールドカップまであと1年
ここで負けたことを
どのように糧にするかが問われる
ハンセンさんは
自らやチームに言い聞かせるように
語っていました
書き手は
アイルランドのプレーは結構好きなのですよ
少なくともイングランドより好きです
だからこの結果は
嬉しいような悲しいような?(苦笑)
確かにオールブラックスにとっては
この時期に負けておくのは
むしろ良かったのかもしれません
はたして どう立て直してくるか?
それも楽しみです!
そうそう この試合の数時間前には
トイッケナムでジャパンが
イングランドと試合しました
前半 なんと2トライも奪って
15-10とリードして健闘しましたが
後半 イングランドが
SOのファレルなどのレギュラーを入れてきたら
あっさりと逆転されてしまいました
でも試合後の記者会見でエデイさんは
かつての教え子たちの成長ぶりを
嬉しそうに褒めたたえていました
来年のワールドカップ
日本は予選でアイルランドと
戦わないといけないのですよね
色々な意味で
来年のワールドカップが楽しみになってきました!
ちなみにこのおふたかた
来年のワールドカップの公式マスコットの
親子の「レンジー」
連獅子からネーミングされたそうですが
ちょっと微妙?(苦笑)
高橋医院