コバルト 亜鉛 セレン
中央区・内科・高橋医院の
健康のための栄養学に関する情報
微量ミネラルの解説を続けます
<コバルト>
@働き
ビタミンB12の構成成分で
赤血球やヘモグロビンの合成に必要な
鉄の吸収を促進する働きがあり
必須のミネラルとされています
コバルトが足りない場合
鉄だけを摂取しても貧血は改善しません
このように
ある栄養素が
他の栄養素の吸収を
促進または阻害することがありますので
普段の食事は
動物性食品や植物性食品だけに偏らないよう
バランスのとれた内容にすることが重要です
@多く含む食品
動物性食品など
ビタミンB12を含むものに含まれていますが
納豆 もやしなど以外の植物性食品には
あまり含まれていません
@欠乏症 過剰症
健康な人が通常の食生活を送っていれば
欠乏症や過剰症は
ほとんど起こらないとされています
<亜鉛>
@機能
酵素をはじめとする
さまざまな分子の中に存在し
その分子の機能発現を助けることで
多くの働きを示します
*300種類以上の酵素の構成成分
さまざまな働きを示す酵素の
機能発現に関与し
特に
核酸の合成
代謝 細胞分裂
に関わり
発育や成長を助けます
*抗酸化酵素・SODの構成成分です
*インスリンの働きに不可欠で
亜鉛不足は糖尿病発症にも関わります
*免疫系の機能発現 バランス調整に関わっています
*皮膚の形成や保護にも関わります
@Znフィンガー構造
亜鉛は分子内に
他の物質が結合できる結合手を
4つ持ち(フィンガー構造)
その働きにより
亜鉛を含む分子の立体構造の維持に
貢献しています
つまり 亜鉛が欠乏すると
そのタンパク質は
立体構造を維持できなくなり
分解されやすくなるのです
上述したように
亜鉛がさまざまな分子の機能発現に関わるのは
こうした特徴的な構造によるところが
大きいと考えられます
また
DNAに結合して転写を促進する転写因子の分子内に
Znフィンガーが存在することが多いので
亜鉛は遺伝子発現調節にも影響します
@不足しやすい
微量元素欠乏症のなかで
亜鉛欠乏症は最も多く見られ
特に
小児 老人 ダイエット中の人に多い
欠乏すると
味覚障害 嗅覚障害
皮膚炎 食欲不振
免疫機能の低下
などが起こります
特に味覚障害との関連は
注目されていて
亜鉛の補充により
症状が改善することがあります
@多く含まれる食品
牡蠣 肉類 魚介類 豆類 味噌 種実類 穀物など
多くの食品に含まれています
@過剰症
亜鉛を含む食材を食べても
普段の食事だけで
亜鉛が過剰になることはありません
しかし
薬剤として亜鉛を継続的に過剰摂取した場合は
胃の障害 免疫障害 神経症状などが出ることがあるほか
銅や鉄の吸収を妨げることがあります
<セレン>
@働き
体内の過酸化物質から細胞を守り
抗酸化酵素・グルタチオンペルオキシダーゼなどの
構成成分として機能しています
甲状腺ホルモンを活性化する酵素など
他の酵素の構成成分としても働いています
@欠乏症
吸収されやすいため
欠乏の心配はほとんどないとされています
@過剰症
毒性が強いとされているので
サプリメントなどでの過剰な摂取は
リスクが伴います
脱毛 爪の変形 胃腸障害 神経障害 心筋梗塞などが
起こるリスクがあります
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