さらに水溶性ビタミンの解説を続けます

<ビタミンB6>

@種類

*ピリドキサール

*ピリドキシン

*ピリドキサミン

の3種類があり

vitb601

生体内で活性化され
リン酸化エステル型の PL PN PM に変換されます

また 一部は体内で腸内細菌により作られています

vitb601a

他のビタミンの解説でも紹介したように
最近注目されている腸内細菌がビタミンを造るのは
興味深い現象です

@働き

リン酸化 脱リン酸化 酸化還元反応
などに関わる酵素補酵素として働きます

特に タンパク質の代謝をサポートします

vitb603

タンパク質代謝に関わる

*アミノ基転移反応を触媒するトランスアミナーゼ

*脱炭酸酵素(カルボキシル基を取り除く)

などの補酵素として働き

vitb602a

*食事で摂ったタンパク質をアミノ酸に分解し

*体内でアミノ酸からタンパク質を作る

それぞれの過程に貢献します

vitb602

タンパク質の摂取量が多くなると B6の必要量が増えます

こうして筋肉や血液などが作られる際に働いています

B1は糖質

B2は脂質

*B6はタンパク質

三大栄養素のそれぞれの代謝に関わるビタミンB類が
B1 B2 B6とうまく役割分担されているのは面白いですね

vitb604

また 皮膚 粘膜の健康維持にも役立ちます

vitb605

さらに
神経伝達物質セロトニン GABA ドーパミンなど)の
合成にも関与します

vitb606

@ビタミンB6が多く含まれる食品

かつお まぐろなどの魚類 レバー 肉
などに多く含まれています

果実ではバナナに比較的多く含まれています

vitb607

@欠乏症

湿しんなどの皮膚炎 口内炎 貧血 
脳波の異常などがおこります

ペラグラ様皮膚炎は特徴的な皮膚炎で
日光が当たる部分に
発赤 水疱 色素沈着などが起こります

また 末梢神経障害 眠気 倦怠感 も起こります

ビタミンB6は腸内細菌によっても作られることから
一般的には不足しにくいのですが

長期間 抗生剤を飲んでいる人では
腸内細菌叢が乱れて働きが悪くなってしまい
B6の産生が不足することがあるので注意が必要です

@過剰症

通常の食生活では とり過ぎになる心配はほとんどありません


<ビタミンB12・コバラミン>

ビタミンB12は 生体内では

補酵素として働く メチルコバラミン アデノシルコバラミン

として存在します

vitb1201




@吸収の特徴

ビタミンB12の吸収過程は複雑で

まず 胃で  胃壁細胞から分泌される内因子と結合し
回腸末端部の受容体を介して吸収されます

vitb1202

ですから 手術で胃を切除した人は
ビタミンB12不足になりやすいので注意が必要です

@働き

メチル基転移反応を触媒する酵素の補酵素として働きます

この「メチル基転移反応」の代表例が

*貯蔵型のメチル葉酸からメチル基を奪って
 活性型葉酸に変換し

*奪ったメチル基を
 アミノ酸のホモシステインに転移して
 メチオニンに変換する

という反応です

vitb1203

この反応で活性型となった葉酸
DNAを構成する塩基のひとつである
チミンの合成を推し進めます

vitb1203a

つまり ビタミンB12は
「葉酸からのDNA合成」をアシストするわけです

これまで見てきたビタミンB群の
三大栄養素の代謝を促進する働きとは少し趣が異なります

vitb1204

ちなみに B12が働きかける葉酸
次回説明するビタミンBメンバーの ビタミンB9 です

一方で

ビタミンB12と葉酸は
骨髄内で赤血球が成熟していく過程を
やはり協力して後押しします

vitb1205

このように ビタミンB12と葉酸は
DNA合成 赤血球成熟といった  遺伝子や細胞の成り立ちを
協力して支えています

vitb1206

また メチルコバラミンには
神経細胞を修復して
神経伝達をスムーズにする働きもあります

vitb1207

@ビタミンB12が多く含まれている食品

かきなどの魚介類や レバーなどに 多く含まれています

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@欠乏症

代表的なのが 巨赤芽球性貧血 です

赤血球の成熟・ヘモグロビン形成が上手くできず
酸素が運べない無用で巨大な赤血球になってしまうので
貧血になります

vitb1209

極端な偏食でなければ
ビタミンB12不足はおこりにくいのですが

胃や腸を手術で切除した場合など
ビタミンB12の吸収が上手くいかない人
動物性食品をあまり食べない人 菜食主義の人では
不足する可能性があるため注意が必要です

肝臓に数年分の備蓄があるので
欠乏してから数年たって症状が出てきます

ものわすれ 末梢神経のしびれ 痛み
といった症状が見られることもあり
しびれの治療にはビタミンB12製剤が投与されます

vitb1210

@過剰症

過剰に摂っても必要以上には吸収されないので
とり過ぎになる心配はありません

 

高橋医院