世界最新の太らないカラダ4:断食は有効か?
こうして筆者は 実践的な太らないカラダの作り方を 解説します <どれかひとつの栄養素を除いても 肥満は改善できない> 肥満の原因と考えられる因子は *カロリー *炭水化物 糖質 *インスリン抵抗性 など多岐にわたっていて これら全ての因子が 複合的に関与しているので どれかひとつだけをどうこうしても 肥満は改善できない 複数の要因に対するアプローチを 同時に行う必要がある <食事の目標は インスリンを過度に分泌させないこと> @インスリンを分泌させる悪い炭水化物を避ける インスリンが 肥満の原因であることは明らかなので それを過剰に分泌させる食物は避け あまり分泌させない食物を摂るべきである 炭水化物 特に精製された白い穀物の摂取を減らし ベーカリー製品は避ける 加工食品 ソース類に 添加されている糖にも注意する デザートは 季節の果物を生で ナッツ チーズ ダークチョコ キヌア チアシード 豆類は 食物繊維が多いのでお勧め @インスリンを過度に分泌させない食べ方 間食と糖分を減らせば インスリン分泌が減る そのためには 糖分が多く含まれた炭酸飲料を減らし 精製炭水化物が多い食物を間食に食べない ことが大切である 朝食では 精製炭水化物を食べない (シリアル マフィン デニッシュなどは危険) ヨーグルト 全粒オートミール 卵などは良い ファストフード 加工食品 冷凍食品 は避ける @飲み物 *加糖された飲み物は飲まない *アルコールは1日赤ワイン2杯程度 *コーヒーは6杯までなら有用 抗酸化物質が多い *お茶はカテキン ポリフェノールが有用 @良い脂肪をたくさん摂る 脂質は栄養素のなかで いちばんインスリン分泌を促さない 天然の脂質を多く含む食物 魚 オリーブ油 バター ナッツ 乳製品 アボガドなどがお勧め @食物繊維をたくさん摂る 炭水化物によるインスリン刺激を抑制する 果物 ベリー類 野菜 全粒穀物 チアシード 豆類 ナッツ オートミール などがお勧め 何を食べてはいけないか 何を食べたらよいか よいまとめになります さて この本では 最後に断食について言及しているのが 興味深いです 断食の有用性については 別の本でも紹介されていました <断食が有用とされる理由> 断食が有用とする理論の背景には 前回 間食についてご紹介したときにも 示された 「インスリンが 分泌される時間 されない時間 のバランスが重要」 という考え方があります 現代人は 食べない時間=インスリンが分泌されない時間が あまりに少ない 絶えずインスリンが分泌されていると 長時間かけて インスリン抵抗性が形成されてしまう そこで インスリン値が低くなる時間を 繰り返し作る必要があり そのためには断食が有効である という論理の流れになります <断食の作用機序> 断食により代謝状態は 糖でなく脂肪をエネルギーとして使うようになり 糖を燃やすフェーズ(短期間)から 脂肪を燃やすフェース(長期間)に 切り替わります 糖質ダイエットの解説のときに紹介した ケトン体が産生されるようになります 脂肪が燃え始めるのは 断食後24~36時間してからで 体脂肪の燃焼量は58%上昇し 炭水化物の燃焼量は53%減少します そしてインスリン分泌が下がり始め 継続時間に比例してより急激に下がり それにともない インスリン感受性も改善します 肥満の原因であり 体重のセットポイント上昇にも関わる インスリン抵抗性が 断食によって改善されるのは好都合です 断食とカロリー制限を併用すると より効果的に減量でき 内臓脂肪から先に減っていく という報告もあります <間欠的断食> 断食といっても 大げさに行う必要はなく 短期間の断食を 定期的に行う間欠的断食でも有効で 週に1度でも 月に1度でもいいし 夕食から朝食まで16時間以上空けるのでも 良いようです 間欠的に行うので かえって継続しやすいというメリットもあります 短期間の断食なら より頻繁に行うのが効果的で 期間が長くなればなるほど インスリン値が下がり 体重が大幅に減る 但し 断食明けに 食べ過ぎないように気をつけることが大切で 少量のナッツ類 サラダなどから 食べ始めるのが良いとされますが 断食後の摂取カロリーの増加は それほどでもないという報告もあります
高橋医院