こうして筆者は 
実践的な太らないカラダの作り方を
解説します

<どれかひとつの栄養素を除いても 肥満は改善できない>

肥満の原因と考えられる因子は
*カロリー 
*炭水化物 糖質
*インスリン抵抗性
など多岐にわたっていて

これら全ての因子が 複合的に関与しているので
どれかひとつだけをどうこうしても 
肥満は改善できない

複数の要因に対するアプローチを
同時に行う必要がある


<食事の目標は インスリンを過度に分泌させないこと>

@インスリンを分泌させる悪い炭水化物を避ける

インスリンが
肥満の原因であることは明らかなので

インスリンが肥満の原因であることを示す図

それを過剰に分泌させる食物は避け
あまり分泌させない食物を摂るべきである

炭水化物 
特に精製された白い穀物の摂取を減らし
ベーカリー製品は避ける

加工食品 ソース類に
添加されている糖にも注意する

デザートは 
季節の果物を生で
ナッツ チーズ ダークチョコ
キヌア チアシード 豆類は 
食物繊維が多いのでお勧め


@インスリンを過度に分泌させない食べ方

間食と糖分を減らせば インスリン分泌が減る

そのためには
糖分が多く含まれた炭酸飲料を減らし
精製炭水化物が多い食物を間食に食べない
ことが大切である

朝食では
精製炭水化物を食べない
(シリアル マフィン デニッシュなどは危険
ヨーグルト 全粒オートミール 卵などは良い

精製炭水化物が脂肪を増やすことを示す図

ファストフード 加工食品 冷凍食品 
は避ける


@飲み物

*加糖された飲み物は飲まない

*アルコールは1日赤ワイン2杯程度

*コーヒーは6杯までなら有用 抗酸化物質が多い

*お茶はカテキン ポリフェノールが有用


@良い脂肪をたくさん摂る

脂質は栄養素のなかで
いちばんインスリン分泌を促さない

天然の脂質を多く含む食物

魚 オリーブ油 バター 
ナッツ 乳製品 アボガドなどがお勧め


@食物繊維をたくさん摂る

炭水化物によるインスリン刺激を抑制する
果物 ベリー類 野菜 
全粒穀物 チアシード 豆類 ナッツ 
オートミール
などがお勧め


何を食べてはいけないか
何を食べたらよいか
よいまとめになります

さて この本では
最後に断食について言及しているのが
興味深いです

断食の有用性については
別の本でも紹介されていました


<断食が有用とされる理由>

断食が有用とする理論の背景には
前回 間食についてご紹介したときにも
示された

「インスリンが
 分泌される時間 されない時間 
 のバランスが重要」

という考え方があります

現代人は
食べない時間=インスリンが分泌されない時間が 
あまりに少ない

絶えずインスリンが分泌されていると
長時間かけて インスリン抵抗性が形成されてしまう

現代人はインスリンが分泌されない時間が少ないことを示す図

そこで 

インスリン値が低くなる時間を
繰り返し作る必要があり
そのためには断食が有効である

という論理の流れになります


<断食の作用機序>

断食により代謝状態は
糖でなく脂肪をエネルギーとして使うようになり
糖を燃やすフェーズ(短期間)から
脂肪を燃やすフェース(長期間)に
切り替わります

糖質ダイエットの解説のときに紹介した
ケトン体が産生されるようになります

脂肪が燃え始めるのは 
断食後24~36時間してからで
体脂肪の燃焼量は58%上昇し
炭水化物の燃焼量は53%減少します

そしてインスリン分泌が下がり始め
継続時間に比例してより急激に下がり
それにともない 
インスリン感受性も改善します

断食によりインスリン感受性が改善することを示すグラフ

肥満の原因であり 
体重のセットポイント上昇にも関わる
インスリン抵抗性が
断食によって改善されるのは好都合です

断食とカロリー制限を併用すると
より効果的に減量でき 
内臓脂肪から先に減っていく
という報告もあります


<間欠的断食>

断食といっても 大げさに行う必要はなく
短期間の断食を
定期的に行う間欠的断食でも有効で

週に1度でも 月に1度でもいいし
夕食から朝食まで16時間以上空けるのでも
良いようです

間欠的断食について説明する図

間欠的に行うので
かえって継続しやすいというメリットもあります

短期間の断食なら
より頻繁に行うのが効果的で
期間が長くなればなるほど 
インスリン値が下がり 体重が大幅に減る

但し 断食明けに
食べ過ぎないように気をつけることが大切で
少量のナッツ類 サラダなどから
食べ始めるのが良いとされますが

断食後の摂取カロリーの増加は
それほどでもないという報告もあります
高橋医院