前回説明したように
日本人は

*軽度肥満でも 糖尿病になりやすい

*内臓脂肪が貯まりやすい

といった 
西洋人とは異なる体質がありますが

そうした事実を考慮したうえで
どのようなダイエット方法が
効果的なのでしょう?


<アジアの伝統食 和食の良さ>

内臓脂肪を減らすことが 一番大切ですが

内臓脂肪は
脂肪の合成 分解が盛んなので
皮下脂肪に比べると
貯まりやすいが 落としやすい




アジアの伝統食は
食物繊維 炭水化物が多く 
脂肪が少ないので
糖尿病発症抑制に効果的で

アジア人はアジア食により
糖尿病から守られている面があります




一方 
アメリカなどで食べられている食事は
アジアの伝統食に比べると
脂肪が多く 食物繊維が半分以下で

アジア人がそうした食事を食べると
インスリンの効き目が悪くなり 
内臓脂肪がたまります

もともと日本人は欧米人より
糖尿病になりやすいですが
下のグラフに示されるように
アメリカの食事を食べている日系人は
糖尿病のリスクがもっと高まります



また 大豆は
イソフラボンの働きにより
インスリン濃度を低く保てるので
大豆タンパク質の摂取により
内臓脂肪が減り 
善玉のアデイポネクチンが増えます

こうしたことから
食物繊維や大豆が多い食事が
日本人には向いていると言えます




一方 
和食は肥満防止に良いと言われていますが
特に1975~1980年頃の和食が
理想とされています



炭水化物 脂質 タンパク質の
バランスがよくとれているので
肥満や動脈硬化になりにくい

それ以前の和食は
炭水化物が多く 
タンパク質 脂肪が不足していて



現在の和食は
炭水化物が減って 
脂肪が増えすぎています





<内臓脂肪がたまらないようにする食事を>

上述したように
日本人は内臓脂肪が貯まりやすいので
欧米人に比べて
脂肪の過剰摂取には注意が必要です

ですから 
脂肪と総カロリーが少ない食事が良い


これまで見てきた欧米のダイエット本では
脂肪の摂りすぎには寛大でしたが

この本では
日本人は脂肪の摂りすぎに注意すべきと
喚起しています

 
糖質ダイエットを推奨する本などで
糖質さえ避ければ 
脂質はいくらとっても大丈夫
と書かれているから安心したり

欧米の本でさんざん強調されていた
「脂肪は悪玉ではない」
という文言だけが独り歩きすることで

「脂肪はいくら摂っても大丈夫」
という考え方が安易に広がるのは
危険があるということです

それでなくても
日本人の脂肪摂取量は
このところ増加傾向にあるので
要注意です



既に何度も説明したように
脂肪の質を考えて食べるようにすることが
大切だと思います



善玉脂肪酸 悪玉脂肪酸を
思いだしてください!


<一般的な注意>

上述したこと以外に

*いつも腹8分目を心掛ける

*大豆 魚からタンパク質を摂る

*緑黄色野菜を多く食べる ほとんど毎日食べる

*魚を2日に1回は食べる

*海藻を食べる

といったことを心掛けることが
強調されています


内臓脂肪を
たまらせないようにするためには
脂肪もカロリーも
控えめにした方が良いことは
間違いありませんから

そうした点からも
腹8分目の心掛けは 全ての基本だと思います


ちなみに
海藻に含まれる食物繊維を
分解できる腸内細菌を有しているのは
日本人だけだそうで



欧米人が海藻を食べても 
あまり効果が見られないそうです

そうした体質的なメリットを
充分に利用するためにも
海藻は多めに食べると良いと思われます
高橋医院