肥満になる原因
肥満になる原因は たくさんあります <食事内容> やはり いちばんの原因は食事です どのような栄養素を 制限すればいいのでしょう? @糖質 巷では 糖質制限ダイエットが好評のようです このブログでも 糖質制限ダイエットの有用性については 詳細に解説しましたが 当院に通院されている 患者さんたちを見ていても 肥満の男性には効果的な印象があります 実際に 低糖質食は低脂質食よりも 体重減少量が多く 内臓脂肪減少率も高いという報告があります しかし 長期間での体重減少効果は 未だ結論が出ていません リバウンドが比較的多いのも問題です @脂質 脂質の長期的制限は 体重増加抑制に有効とは言い切れない との報告があります 脂質の過度の摂りすぎは 肥満につながりますが 脂質制限による減量効果は 疑問視されているようです @タンパク質 高タンパク質(エネルギー比率25%)の食事だと 体重 脂肪の減少率が大きいことが 報告されています タンパク質の摂取にともない 熱産生量が増え 満腹感を得やすいためと推定されていて 長期の体重減少維持にも関与すると 考えられています 減量には むしろタンパク質をたくさん食べた方が良い ということです <食行動> @早食いは 肥満につながります 早食いだと 満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまい 摂取カロリーが過剰になるからです 食べる速さは エネルギー摂取量とは独立した インスリン抵抗性の危険因子です つまり 量的に食べ過ぎでなくても 食べるスピードが速ければ肥満になり インスリン抵抗性が惹起されてしまいます また 早食いは 血糖 インスリンの急峻な上昇を介して 脂肪蓄積を促します @朝食の欠食も 太る原因になります 朝食を食べないと 昼食や夕食での過食をもたらし 過食は食後のインスリン値を上昇させるので 肥満を誘導します 3食しっかり食べて 朝昼食はしっかり 夕食は控えめにすることが 効果的です <飲酒> 男性で影響が大きいとされています 特に 飲酒量が多い場合は エネルギーの過剰摂取が生じ 肥満が誘導されます 飲酒にともなう脂っこいおつまみの摂取も 肥満の原因になります 但し 少量~中等量の飲酒なら 体重増加リスクは上昇しません また アルコールの種類は影響しないとされています <身体活動> 身体活動の増加は 減量につながります 特に男性では 女性より効果的です また 座位時間が長いと肥満が増加します 日本人は 座位時間が長いと指摘されていますから 要注意です また テレビ視聴時間が長いと やはり肥満につながります <睡眠> 短時間睡眠は 体重増加と関連するとされています 睡眠不足による 空腹感の増強 摂食回数の増加 レプチン低下 グレリン増加 などが 肥満の原因と推測されています <喫煙 禁煙> @喫煙 重度の喫煙者は 肥満度が高くウエスト周囲長も大きく 喫煙本数と内臓脂肪量は正の相関を示すことが 報告されています @禁煙 禁煙の解説でも紹介しましたが 禁煙後には 体重増加をきたしやすい傾向があります こうした場合 身体活動量が少ないことが多く 運動量を増加させれば太らないことが 明らかにされています <心理的 社会的要因> @心理的要因 ストレスが多いと肥満になりやすいので 注意が必要です 特に女性は 慢性的なストレス状況下では 過食に陥りやすく太りやすい @社会的要因 *食料品店 ファーストフード店が 家のそばにたくさんあり アクセスが良い *公共交通機関が乏しく 自家用車での移動が多い といったことが 肥満と関連します 特にコンビニで 夜にカロリーの高い食材を買って食べてしまうのは たいへん危険です <職業要因> @時間外労働が多いと 夕食の時間が遅くなるので 肥満になりやすいので注意が必要です @深夜勤務者 明け方のエネルギー摂取量 油脂 アルコール摂取量が多く 1日の消費エネルギー量が日勤者に比し有意に低いので 太りやすいことが報告されています @単身赴任者 朝食の欠食が多く 単身ストレスがある人は飲酒量が多くなります 肥満度とは関連しないと報告されていますが 要注意です <性ホルモン 加齢> 日本では 30歳以降に肥満者は急増し 男性は40~70歳代の全年代 女性は40~50歳代で増加します 基礎代謝により 摂取カロリーを消費してくれる骨格筋量は 男性で加齢とともに低下しますが これには遊離テストステロン量が関連します また 男性は 加齢により男性ホルモンのアンドロゲンが低下し 総脂肪量 腹部脂肪量が増加します 一方 女性は 閉経後の女性ホルモンのエストロゲンの低下により 腹部皮下脂肪 内臓脂肪量が増加します
高橋医院