このところ立て続けに
肝臓の病気に関する取材を受けました

取材をオファーしてくださったのは
いずれも某有名企業の
健康保険組合の組合誌でした

大企業の健保組合さんは
組合員さんの健康管理のために
季刊や月刊で機関誌を発行されていることが多く

読ませていただくと
こちらも勉強になるような記事が充実しています

インタビューが掲載された組合誌

さて 某企業さんは
厚労省・経産省・日本健康会議が行った
自社の健保組合の健診データの分析により
「肝機能リスク」「飲酒習慣リスク」が
全国平均より高いことを指摘され

「肝臓をいたわるお酒の飲み方」
について 専門医に話を聞きたいということで
当院のHPをご覧になり
書き手のところに取材に来られました

肝臓をいたわるお酒の飲み方が掲載された組合誌
お酒を飲む肝臓のイラスト


最近は 企業の健康管理に対して
行政からそうした指導が入るシステムに
なっているのですね

びっくりしました


さて こうした取材は
書き手にとっても
とても良い勉強の機会になります

というのも 健保組合さんは
組合員さんへのアンケートを基にした
具体的な質問を持って来られます

そうした質問は
「患者さんはそうしたことが知りたいのか」
気がつかせてくれることが多いのです

患者さんが知りたいことと
医者が説明したいこと

その内容が微妙に異なることは
日常診療でもよくあり
その隙間を埋めるように心掛けているのですが

ときどき
「えっ そんなことが心配だったのですか?」
と こちらが驚くこともあるのですよ


さて アルコール性肝障害に関して
組合員さんたちは
こんな疑問を持っておられました

*血液検査でどの項目が高いと
 アルコール性肝障害の可能性がありますか?

*γ-GTP値は薬では下げられないのでしょうか?

*水で薄めて飲めば
 お酒を飲み過ぎないですみますか?

*どんなおつまみを食べればいいのでしょう?

*お酒を飲む前 飲んだ後に
 摂ると良い食べ物や飲み物は何ですか?

*ウコンなどの肝臓に良いと言われているサプリメントは
 どうなのでしょう?

*休肝日はどれくらいのタームでとればよいのでしょう?

*お酒で肝機能が悪い人は
 他の生活習慣病にもなりやすいのでしょうか?

読んでいて なるほどと
思わず笑みがこぼれてきそうな質問です

そういえば
何年か前に早稲田の学生さんたち
飲酒について尋ねてきたときも
似たような内容がありました

やはり皆さん
「何とかして血液検査の値を下げたい」
「どうやったら健康的にお酒を飲めるのか知りたい」
といったことに興味をお持ちのようですね

「左利き」としては
そのお気持ちは よくわかります(笑)


ということで
取材ではそれらの質問にお答えしていきました

掲載されたインタビュー記事

@血液検査?

γ-GTPが高いのが
アルコール性肝障害の特徴だけれど

ALTに比べてASTが高いと要注意だし

中性脂肪が高い人は
飲みずぎて膵炎にならないようにご注意

肝機能検査値の読みかた

γ-GTPを下げる薬は 残念ながらありません
地道な節酒が唯一の王道です

ちなみに 健診数日前からお酒を控えても
急にγGTPは下がりませんので
無駄な努力になります(笑)

@アルコール性肝障害にならないためのお酒の適量は?

1日の適正飲酒量については
このブログで既に説明してありますが

純アルコール量として 1日に20g

純アルコール量の計算方法

どんな種類のお酒を
どれだけの量を飲んだら
20gになるか

知っておいてください

アルコール量が20gになる色々なお酒の量

@休肝日はどうなの?
 休肝日以外の日はたくさん飲んでも良いの?

休肝日の看板

いちばんのポイントは 前にも解説しましたが
休肝日を設けたから
 それ以外のときはたくさん飲んでも大丈夫!」
と勘違いしないようにしてください!
ということです

肝臓にダメージを与えるのは
「摂取した総アルコール量」ですから

飲まない日があっても
飲む日に普段の倍以上の量を飲んだら
肝臓は よりひどいダメージを受けることになります

@飲み過ぎないようにするコツは?

血中アルコール濃度を急に上昇させると
高揚感で飲み過ぎてしまうので

そうならないように
飲む前に良質の脂質やタンパク質を含む物を
食べておくと良いです

おつまみの一番のお勧めはチーズ
その他に豆腐 枝豆 青魚なども適しています

良いつまみ 悪いつまみ

飲んでいる最中や寝る前に水を飲むことは
二日酔いを防止する上では大事ですが

水で薄めたからといって大量に飲んでしまったら
元も子もありませんから
ご注意ください

@二日酔い防止に効く食べ物 飲み物は?

ウコン ゴマ 玄米 しじみ アサリなどは
摂れば多少なりとも効果はあるかもしれませんが
たくさん飲んで良いという免罪符には決してなりません

注意して欲しいのは
すでに肝臓が悪い人や肝機能の数値が高い人がウコンを飲むと
薬剤性肝障害を起こしやすいので危険なことで
そういう方はウコンを飲まないでください

ウコンによる肝障害の危険性を喚起する図


@お酒で肝機能が悪い人は
 他の生活習慣病にもなりやすいのでしょうか?

アルコールには食欲増進作用があり
飲んだ時は脂ものや味付けが濃いものを食べたくなるので
肥満はもちろん
高血圧 糖尿病 脂質異常症につながるリスクが高いです

特にシメにラーメンを食べるのは最悪で 
メタボへと一直線です


〆のラーメンの危険性を喚起するイラスト

太る最大の原因は
高カロリー・高脂質のおつまみを食べるから

ビール好きの人は
ポテトチップ ピザ フライドポテト フライドチキン
などを好むため太りやすく

ワインを飲む人は
野菜 果物 チーズなどの
健康的なつまみを食べるため太りにくい

という研究結果もあるので

この機会に
食べているつまみの種類や
1週間のアルコール量などを分析し
改めるべき点は改めましょう


ということで 
取材を機会にアルコール性肝障害について
再度まとめてみました

ポイントとなるのは

*1日 1週間で どれくらいの量の純アルコールを
 肝臓に浴びせかけているか?
 を把握してください

 肝臓が浴びている総アルコール量により
 ダメージは規定されます

肝臓に浴びせかけられるアルコール

*普段飲んでいるときに どんな飲み方をしているか?
 
 どんなものをつまみに食べているかで
 肝臓への負担 肥満や糖尿病への影響が規定されますから
 つまみの内容に気を配ってください

お勧めのつまみ 避けたいつまみ

ということですね!
高橋医院