果糖中毒で言及されていた
肥満の原因としての
インスリン抵抗性 レプチン抵抗性について
この本でも言及されています

これも大切な点なので 再度紹介します


<インスリン抵抗性・レプチン抵抗性>

インスリン抵抗性

大量のインスリンを分泌させる食事により
肥満になると
インスリン抵抗性が生じてきます

インスリン抵抗性について説明した図

肥満になると
肥大した脂肪細胞から
インスリン抵抗性を誘導する
悪玉アデイポカインが産生され

また脂肪や脳内で慢性炎症が起こり
炎症がインスリン抵抗性を増悪させます

インスリン抵抗性になると 
血中のインスリン濃度が増え
脂肪組織に脂肪がどんどん蓄積されていきます


レプチン抵抗性

レプチンは満腹ホルモン
体重増で脂肪量が増え
レプチンが高産生されると
食欲が減って代謝が亢進するので
痩せてきます

しかし 
脳で慢性炎症が起こると
レプチン抵抗性が導かれ
肥満を引き起こします

また 中性脂肪が増加すると 
レプチンが脳に届かなくなります

血糖値を乱高下させる炭水化物は
慢性炎症を引き起こし 
中性脂肪濃度を上げるので
レプチン抵抗性を導いてしまいます

レプチン抵抗性について説明する図

ですから 
炭水化物が少ない食事を摂取すると
インスリン抵抗性 レプチン抵抗性が
改善されるので
空腹感を覚えずに
減量できるようになります


では どんな食事を摂れば 体に良いのでしょう?

<新しく摂るようになった栄養素が不健康を招いている>

筆者は 
昔から食べてきた食物がいちばん健康に良い 
と指摘します

原始食は
タンパク質 脂肪が多く 
炭水化物が少なく
これまで紹介されてきた
減量に有効な食事内容に酷似します

そもそも 
人の食べ物の歴史について見てみると
現在のように精製穀物や糖を食べ始めたのは
人類の長い歴史では
ごく最近であることがわかります

人類の歴史を
1年のカレンダーに換算すると

*人は12/30の真夜中に
 初めて穀物を食べ始め

*12/31の正午頃に
 乳製品を食べ始め

*12/31の午後11時15分頃に
 精製穀物 糖 植物油を食べ始めた

ということになるのです

除夜の鐘の準備を始める人々の写真

1年が終わり
除夜の鐘の準備を始める頃に
初めて精製穀物や精製糖を食べ始めた

この例えは 
面白いし 衝撃的ですね!


さて 現代の食事はどんなものかというと

精製穀物が
 総カロリーの1/3を占める

精製穀物の写真

*乳製品は10%

精製糖は13%で
 食物に自然に含まれている糖より
 血糖値を急激に上げる

精製糖の写真

*精製植物油(トウモロコシ ヒマワリ 大豆など)
 は18%

*塩の摂取量の半分は
 加工食品に含まれている

ということで
ご先祖様は食べてことがない新入りの食物
精製穀物 精製糖 大量の塩分
などが75%以上を占めています

これらの新しい栄養素は
ご先祖様から引き継いだ代謝システムを持つ体と
ミスマッチを起こして
病気を招くリスクがあります

代謝に関わる遺伝子は
食事内容の変化に
対応できていないからです

ミスマッチについて説明する図

この点についても
果糖中毒で紹介された通りです

つまり 農業 穀物の栽培が始まってから
文明が生まれ人口が急増しましたが
食事と健康に関しては
むしろ後退したと言わざるを得ない

こうした論は
さまざまな文明批判書で
見かけられます

農業の罪について書かれた本の表紙

ひふみんのニャンぶらりの宣伝写真


 

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